特集

Listening

話題のニュースを取り上げた寄稿やインタビュー記事、社説をもとに、読者のみなさんの意見・考えをお寄せください。

特集一覧

社説

東京五輪まで半年 現実見据えた議論足りぬ

 7月23日開幕予定の東京オリンピックまで半年を切った。だが、新型コロナウイルスの世界的流行は依然続いており、開催を巡る不安が国内外で高まっている。

 外国の金メダリストや国際オリンピック委員会(IOC)の関係者からは、開催への懐疑論が出始めている。海外メディアでは中止の可能性に言及する報道も増えてきた。

 今月上旬の共同通信の世論調査では、中止や再延期を求める声が約8割を占めた。競技の現場でも日本代表の遠征や合宿が中止されるケースが相次いでいる。

 IOCのトーマス・バッハ会長は「(大会は)トンネルの終わりの光となる」と強気の姿勢で、大会組織委員会の森喜朗会長も「長い夜も必ず朝は来る」と語る。

 菅義偉首相は「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」と開催の決意を繰り返し、国会では「ワクチンを前提としなくても開催できるよう準備を進めている」と答弁した。だが、大会のコロナ対策に責任を持つ政府の説明としては具体性と説得力を欠く。

 何より今は現実を見据えた議論を急いで進める必要がある。

 最優先で検討すべき課題は明らかだ。訪日客も含めた観客制限の可否と、選手や関係者の感染防止策である。

 昨年、政府は海外からも観客を受け入れ、14日間の隔離措置を免除して公共交通機関の利用を認める案を示した。

 だが、世界中から人々が集まれば、感染がさらに拡大する危険性がある。変異ウイルスの侵入も予想される。

 昨年以降、欧米のプロスポーツの多くが無観客で実施されている。五輪も、無観客開催や観客を日本在住者に限定した方法が望ましいとの意見が出ている。

 感染防止策では、隔離した環境に選手らを滞在させ、競技会場と宿舎を往復するだけの「バブル」方式を採用するアイデアもある。

 どのような取り組みが可能なのかを検討するうえでは、深刻化するコロナの感染状況への細心の注意が欠かせない。

 3月25日からは聖火リレーが始まる予定だ。開催への危機感、関係者の具体的な動きが見えない現状を早く改めなければならない。

コメント

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

あわせて読みたい

注目の特集