福島第1の廃炉「工程の見直しが成功のカギ」 専門家が語る見通し
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東京電力福島第1原発の廃炉作業では、計画通りに進まないなど多くの課題を抱えている。こうした状況を、どのように乗り越えていけばいいのか。日本原子力学会の廃炉検討委員会で、廃棄物検討分科会の主査として中心的な役割を担う柳原敏・福井大特命教授が、そのカギを語った。【聞き手・塚本恒/科学環境部】
目標が不明確
――福島第1の廃炉の進み具合をどう見ていますか。
◆2011年に原発事故が起きて、その年に廃炉のための工程表(ロードマップ)ができた。廃炉の段階ごとに第1期、第2期、第3期と区分され、第3期が22年以降になっている。第2期中には(核燃料が溶け落ちた)燃料デブリの取り出しが始まることになっているが、現状では取り出しに入れる状況にはない。果たして工程表通りに進むのか、もう一度見直す必要がある。
――工程表上の計画が問題だということですか。
◆そうだ。廃炉というのは一大プロジェクト。プロジェクトというのは一般的に、まず具体的な計画があって、その通りに進んでいるかをチェックすべきだ。それができていない。
燃料デブリの取り出しの技術は実現できるのか、汚染処理水をどうするのか、放射性物質に汚染された廃棄物をどう処分するのか。いろいろな課題がある。廃炉後の姿、つまり…
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