“渡り鳥のような”臨時教員、同じ業務・違う待遇 「正規」を増やせない事情とは

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臨時教員となって4年目の女性。勤務校は毎年変わる。「子どもたちと別れるのはいつも寂しい」と話す=2020年11月23日午後6時21分、大久保昂撮影
臨時教員となって4年目の女性。勤務校は毎年変わる。「子どもたちと別れるのはいつも寂しい」と話す=2020年11月23日午後6時21分、大久保昂撮影

 小中学校で「臨時教員」への依存度が高まっている。文部科学省の調査によると、その数は全国で4万3900人に上り、教員定数の7・5%にもなる。「臨時」と言いながら、担任を受け持つなど仕事内容は正規教員とほとんど変わらず、今や義務教育の維持に欠かせない存在だ。しかし、有期雇用のため立場は不安定で、待遇も十分とは言いがたい。【大久保昂】

「来年も先生がいいな」に答えられない

 首都圏の公立小学校で臨時教員を務める20代の女性は、年度末が近づくと携帯電話を手放せなくなる。年度末で雇用の任期が切れるため、4月以降も教壇に立てるのかどうか、教育委員会からいつ連絡が来るか分からないからだ。

 仮に契約が結べても別の学校に移ることは「暗黙の了解」で、渡り鳥のように職場を転々とすることになる。給与は同い年の正規教員と比べると7割ほどだ。

 臨時教員の立場で教壇に立つのは今年度で4年目。「普段、自分が『非正規』だと感じることはあまりない」。学級担任をしているし、学年主任の同僚が産休に入った時には仕事の一部を引き受けた。退勤時間は職場内で後ろから数えた方が早い。

 それでもふとした瞬間に自分の立場を思い知らされる。教育委員会が開く研修の申込書の職種欄には「教諭」ではなく「講師」と書く。そして年度末が近づく度に「来年度も仕事あるのかな」と不安がよぎる。

 教え子から「来年も先生がいいな」と言われた時は返事に困る。信頼関係ができている先生が続けて教えた方が子どもは安心できるし、学習効果も上がると思う。ただ、立場上それはかなわない。「…

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