50代中年ウーバー配達員の奮闘、苦悩 「感謝と複雑な思いと…」
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四角い大きな保温バッグを背負い、自転車やバイクで道路を行き来する姿が、都市部では街の風景として定着してきた。「ウーバーイーツ」などの料理配達サービスを請け負う配達員たちだ。自由な時間を活用し、スマートフォンを通じて仕事を受けるスタイルで、若者のアルバイトというイメージが強いが、実はそうでもないのだ。新型コロナウイルス感染拡大を機に、この仕事を始めた50代の配達員たちに話を聞いた。【岡大介/統合デジタル取材センター、福富智/京都支局】
コロナで減収、娘の塾代のために…
東京都心から約30キロ離れたJR立川駅前。ロータリーの片隅で、1人の男性が自転車を止めてスマートフォンの画面を見つめていた。
「鳴った。注文が入りましたね」
男性は記者にこう話すと、中古の電動アシスト付き自転車にまたがり、近くのマクドナルドを目指してペダルをこぎ出した。2020年12月中旬、都心よりいくぶん寒いが、ペダルをこげば体が温まる。ダウンジャケットは前かごに入れてある。
男性は51歳で、妻子がいる。普段の職場は都心のホテルで、もう20年勤務しているという。しかし、新型コロナウイルス感染が拡大した昨年3月ごろから利用客は8割減となり、休業状態に。男性は1年ごとの雇用契約で、本給は保証されるが、大きな割合を占める残業代が入らなくなり、月十数万円の減収となった。
東京都立川市の一戸建てに住み、住宅ローンはまだ15年も残っている。妻の保育関係の仕事はコロナの影響を受けておらず、すぐに生活が成り立たなくなるわけではない。だが、長女は中学受験を控えており、夏期講習代などを含めると塾の負担は大きい。「あれこれ切り詰めたりせずに、引き続き塾に通わせてあげたい」。収入を補うことができ、コロナの感染リスクも低そうな配達員に挑戦することにした。
初めて配達するラーメンに緊張
まず、インターネット通販でウーバーのロゴの入った大きな保温機能付きリュックを買った。緊急事態宣言下で、同じように始めようとした人が多いせいか、注文してから届くのに3週間もかかった。
仕事を始める手続きは簡単で、面接もない。インターネット上で身分証を提示して手続きを進め、規約に同意すれば、すぐに注文を受けられる仕組みだ。昨年5月、妻に借りた「ママチャリ」で、配達員デビューした。
ウーバーの配達員の仕事は、…
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