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コロナと生活困窮者 孤立させぬ支援と情報を

 新型コロナウイルスの感染拡大で解雇や雇い止めに遭う人が見込みを含めて8万人を超えた。東京や大阪など11都府県に緊急事態宣言が発令され、状況はさらに厳しくなることが懸念される。

 全国に設置されている窓口には、離職で困窮した人から家賃費用の給付などについて新規相談が急増している。2020年度の上半期だけで40万件に達し、前年度同期の3倍以上に上る。

 自治体は生活困窮者への支援を強化する必要がある。困窮の状態によっては生活保護制度を活用すべきだ。

 ただ、周囲の偏見から申請をためらう人も少なくない。

 厚生労働省の16年の推計では、生活保護の対象となる低所得世帯のうち、利用世帯は4割程度しかないという。

 田村憲久厚労相は記者会見で「生活保護は国民が受けられる権利だ。迷わず申請をしてほしい」と呼びかけた。

 実際に孤立死も起きている。大阪市内のマンションで昨年12月、60代の母親と40代の娘が餓死した状態で見つかった。所持金はわずかで、生活保護は受給していなかったとみられている。

 生活保護の申請を巡っては、自治体の後ろ向きな姿勢が問題になってきた。厚労省は申請する権利を侵害しないように通知した。支援を必要とする人が取り残されないような対応が欠かせない。

 当事者に情報を迅速に届けることも重要だ。

 千葉市では無料通信アプリ「LINE」を使い、一人親家庭の医療費助成などの支援措置や行政サービスについて個別にメッセージを送る取り組みを月内に始める。

 本人の同意を得て所得情報を活用し、受給できる手当などを積極的に伝えるのが特徴だ。情報を集める余裕がない人の受給漏れを防ぐことにつながる。他の自治体も参考にしてほしい。

 社会的に弱い立場の人ほど、コロナ禍のしわ寄せを受ける。市民団体には非正規で働く人や外国人労働者からの相談が目立つ。

 コロナ下では人が集まりにくく、支援活動が制限されるため、生活困窮者の姿が見えづらくなっている。孤立させない支援と情報の提供が求められている。

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