見逃される虐待サイン 「感染リスク」家庭訪問拒む親も コロナ拡大で自治体対応遅れ

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健診を終えた母親から子育ての相談などを受ける保健師(左)=東京都江戸川区のなぎさ健康サポートセンターで2020年8月、谷本仁美撮影
健診を終えた母親から子育ての相談などを受ける保健師(左)=東京都江戸川区のなぎさ健康サポートセンターで2020年8月、谷本仁美撮影

 全国の主要74市区を対象に実施した毎日新聞のアンケート調査では、乳幼児健診を受けず、家庭訪問でも直接会えない子どもについて、いつまでに虐待対策機関に連絡して対応をとるか、自治体ごとに差があることが明らかになった。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、半数以上の自治体が未受診児への対応が「滞った」と回答。家庭内での虐待が見つかりにくくなる事態も懸念される。【黒田阿紗子、谷本仁美】

 「健診のご案内、届いていますか」

 京都市では乳幼児の集団健診が終わると、保健師らが受診会場に姿を見せなかった子どもの親に電話をかける。「見ていなかった」「忘れていました」。親とのやりとりでこうした反応があれば、多くは次の機会で受診するケースにつながる。

 しかし、「忙しいから」と拒んだり、何度電話してもつながらなかったりする親もいる。家庭訪問などで接触を試みて状況を確認し、結果を1カ月後の会議に持ち寄る。子どもに直接会えない場合や、児童相談所などと連携して対応する必要がある場合は、健診の予定日から2カ月以内に要保護児童対策地域協議会(要対協)に情報を提供している。

 金沢市では、未受診の子どもに直接会って様子を確認できない場合、乳児なら健診予定日から2カ月以内、幼児なら3カ月以内に児相に連絡する。連絡期限を決めておくよう求める厚生労働省の通知を受けて昨年、これらの時期をマニュアルに明記した。

 児相は都道府県と政令指定都市で設置が義務づけられているが、中核市も設置できる。同市には自前の児相があり、児相での勤務経験がある保健師も少なくない。健康政策課の担当者は「日ごろから児相と連携して支援に動くことも多い。未受診の場合、子どもが危険な状況にある可能性も念頭に置いている。誰が対応しても確実となるように時期を決めておくことが必要」と話す。

即応自治体まだ一部 国「乳幼児健診などで虐待予防や早期発見を」

 2016年に改正された母子保健法では、乳幼児健診などが虐待の予防や早期発見につながると留意して対応することが国や自治体の責務として明記された。しかし、…

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