
2020年7月の九州豪雨で氾濫した球磨川の治水対策として、熊本県の蒲島郁夫知事が11月、支流の川辺川に「流水型ダム」を建設するよう国に要請した。国は応じる方針で、年度内には流水型ダムを軸にした治水計画が決まる見通しだ。大雨時だけ水をためる治水専用の流水型ダムは、一般的な貯水型ダムに比べ環境への影響が小さいとされるが、08年に川辺川ダム建設を「白紙撤回」した知事にとって180度の方針転換であることに変わりはない。一連の議論を振り返ると、早い段階から「ダムありき」の出来レースだったのではないかとの印象が拭えない。
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