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「厳しい要求だ」 ワクチン接種の現場を悩ませる要因 政府は副反応を注視

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新型コロナウイルスワクチン接種会場運営訓練で行われたワクチン注射の訓練=川崎市幸区で2021年1月27日午後1時12分、梅村直承撮影
新型コロナウイルスワクチン接種会場運営訓練で行われたワクチン注射の訓練=川崎市幸区で2021年1月27日午後1時12分、梅村直承撮影

 厚生労働省と川崎市は27日、新型コロナウイルスのワクチンの集団接種を想定した訓練を市立看護短期大の体育館で行い、報道陣に公開した。受け付けから接種までにかかる所要時間や人員体制などを検証するのが狙い。接種の実務を担う全国の自治体では準備が進むが、接種開始までの時間や情報がないまま、手探りが続いている。

接種訓練で浮かんだ課題は…

 訓練は接種者役を務める人たちや、医師や看護職など計約60人が参加した。

 仕切りが設けられた会場で接種者は受付で接種券(クーポン券)を提示。体温や既往歴などを予診票に記入し、確認後、予診用ブースに進んだ。医師は体調や既往症を確認。医師から「問題ない」と判断された接種者は接種用ブースに進み、看護師がダミーのワクチンを注射するふりをした。「接種済み証」を市職員から受け取ると、副反応に備えて経過観察用の場所で15~30分間待機し、終了した。

 訓練は、各自治体の準備を後押しする狙いがある。集団接種は1994年の予防接種法改正以来、全国一律では行われておらず、ノウハウがない市町村が多い。集団接種を行うか否かは各自治体の判断で、個人が医療機関に出向く個別接種を選択するところもあるとみられるが、集団接種を検討する自治体に流れをイメージしてもらうのが主眼だ。

 特に米ファイザー製のワクチンはマイナス75度の超低温管理が必要で、配送後は短期間で使い切る必要がある。厚労省の資料によると、総合病院など「基本型接種施設」の超低温冷凍庫で保存。配送は3時間以内とし、5日以内に使用する。接種6回分を1本に入れた容器を効率よく使い切る体制構築が欠かせない。

 この日課題として浮かんだのは、予診の相談に時間がかかる点だった。予防接種に関する国の審議会委員を務める坂元昇・川崎市立看護短期大学長は「現実の会場で、予診で人が止まってしまうのでは」と指摘し、対応を求めた。【石田奈津子、横田愛】

自治体を悩ませる医師・看護師の確保

 ワクチン接種の開始を前に、各自治体では担当部署を新設するなど準備が進みつつある。こうした中、担当者を悩ませているのは、接種の予診や接種を担う医師や看護師の確保だ。

 厚労省は25日の接種説明会で、65歳以上の高齢者に対し、接種開始から3カ月以内に1人あたり2回の接種を終える目標を示した。人口10万人で高齢化率27%の自治体では、接種間隔を考慮すると週あたりの接種回数は6000回になる。

 「厳しい要求だ」。神奈川県内のある市の担当者はため息をつく。何人の医師を確保できるか。新型コロナ対応を迫られる病院も多く「どこまでお願いできるかわからない」という。看護師や事務職員も必要で、複数の人材派遣会社などに問い合わせて…

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