連載

特集ワイド

「人だかりがする」ニュースを目指して、読み応え十分の記事をラインアップ。

連載一覧

特集ワイド

この国はどこへ コロナの時代に みずほ証券チーフマーケットエコノミスト、上野泰也さん 異質な経済危機到来

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
コロナ禍における景気の行き先を語るみずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也さん=東京都千代田区で2021年1月19日、梅村直承撮影
コロナ禍における景気の行き先を語るみずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也さん=東京都千代田区で2021年1月19日、梅村直承撮影

影響二極化 回復、ワクチン頼み

 コロナ危機は2008年に起きた「リーマン・ショック」と比較されることが多い。だが、鋭い経済予測で知られる、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也さん(57)は「対比はできない」と言う。

 「リーマン・ショックは金融危機であり、金融システムの中で血流が止まり、経済全体が機能不全を起こした状態です。血流さえ戻せばよく、人間の知恵で制御できた。しかしウイルスは人力では消せない。まったく新しいタイプの危機が到来しているということです」

 街中の飲食店は窮地に立たされている。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、政府は今月、11都府県に2度目の緊急事態宣言を発令した。営業制限が強まり、感染を恐れて客は一段と減少。大手チェーンさえ大量閉店に追い込まれている。

 コロナ危機の特異さは、そんな飲食店の惨状に象徴されている、という。「経済状況が厳しいといっても、すべての産業が一律に悪いわけではありません。デジタル化の進展でパソコンやIT機器は売れており、感染予防から車を購入する人も増えつつある。つまり製造業は比較的好調です。これに対し、飲食や宿泊など対面型のサービス業は相当厳しい。産業ごとに激しいばらつきが出ているのです」

 かつての経済危機では、程度の差こそあれ、ほぼ全ての産業に悪影響が広がった。しかしコロナ危機では二極化が鮮明だ。このため、今後の景気回復の道も、やや異質な形が予想される。急回復を表す「V字形」や、低迷が続く「L字形」ではなく、「K字形」になるだろう、と上野さんは言う。「製造業など調子の良い業種は上を向いて回復する一方、飲食業など対面型のサービス業は下向きに落ちていく。そのギャップは感染が落ち着くまでずっと続くことになるでしょう」

 かつてない環境の中で21年が幕開けした。日本の景気はどうなるのか。

この記事は有料記事です。

残り2557文字(全文3341文字)

あわせて読みたい

注目の特集