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強権続くベラルーシとの外交 日本は「価値観」考慮を=前谷宏(モスクワ支局)

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ルカシェンコ大統領が当選した大統領選の不正を訴える抗議デモ=ベラルーシの首都ミンスクで2020年11月2日、ロイター
ルカシェンコ大統領が当選した大統領選の不正を訴える抗議デモ=ベラルーシの首都ミンスクで2020年11月2日、ロイター

 旧ソ連のベラルーシで昨年8月9日に大統領選が実施されてから半年になる。ルカシェンコ大統領の6選という結果に対し、不正を訴える市民による10万~20万人規模の抗議活動が続いたが、政権側は治安当局による弾圧を強化し、抗議の波は表面上は収まったかのように見える。だが、ベラルーシでは今も当局の目をかいくぐりながら、大統領退陣を求める市民の抗議活動がゲリラ的に続いている。日本から遠く離れた東欧にある人口約940万人の小国での出来事だ。だが「日本の国民にとっても決してひとごとではない」と思えてならない。

 国民の抗議を力で抑えつけるルカシェンコ政権に対し、日本政府は複数回にわたって暴力の停止や対話の必要性を求める談話を出してきた。しかし、ルカシェンコ氏の6選の正当性を認めず、制裁に踏み切った欧米諸国と違い、日本は選挙結果の正当性に関する判断を避けている。

 私は2020年12月8日に毎日新聞のニュースサイトで「ベラルーシの反体制派が日本に対して怒るわけ」というコラムを書き、日本政府の立場を説明しながら、「我々はどういう態度を取るべきか」と読者に問いかけた。さまざまな反響が寄せられたが、「なぜ日本がベラルーシの問題に関わらないといけないのか」という批判も多かった。

自由制約の社会、ひとごとでない

 コラムを書くきっかけは20年11月に行ったベラルーシの反体制派幹部、ラトゥシコ元文化相へのインタビューだった。この中で、突然、11月3日に開かれた新任大使の信任状奉呈式に日本の徳永博基・駐ベラルーシ大使が出席し、ルカシェンコ氏と握手…

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