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「熱夏伝承」 仙台育英、3年生40人の夢を継ぐ甲子園 第93回選抜高校野球

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センバツ出場が決まった仙台育英のグラウンドに掲げられている3年生世代のスローガン=宮城県多賀城市で2021年1月29日午後4時41分、和田大典撮影
センバツ出場が決まった仙台育英のグラウンドに掲げられている3年生世代のスローガン=宮城県多賀城市で2021年1月29日午後4時41分、和田大典撮影

 第93回選抜高校野球大会の選考委員会が29日、オンラインで開かれ、仙台育英(宮城)は2年連続14回目の出場が決まった。

 仙台育英のグラウンドには、コロナ禍で中止となった昨年のセンバツに出場するはずだった3年生世代のスローガンが今も掲げられている。ナインは先輩から引き継いだ思いを胸に、東日本大震災から10年となる節目の今年、被災県の代表校として優勝旗を持ち帰るつもりだ。

 「熱夏(ねっか)伝承」というスローガンは昨夏の甲子園も中止が決まった後に作られた。3年生は県独自大会やセンバツ交流試合で集大成を見せ、新チームへと移行する際、前主将の田中祥都(しょうと)さん(3年)は島貫丞(じょう)主将(2年)にこう声を掛けた。「お前たちは日本一になるんだ」。3年生40人の夢は、共に汗を流した後輩62人に託された。

 悔しい思いをしたのは3年生だけではない。昨年の秋季大会で背番号1をつけた伊藤樹(たつき)投手(2年)は一昨年の夏、当時1年生ながら甲子園のマウンドに立ったが結果を残せず、昨年はコロナ禍により雪辱を果たす舞台を奪われた。今回、再びセンバツ出場の切符を手にし「一昨年取れなかった1勝を挙げたい」と胸を躍らせる。

 昨年、史上初のセンバツ中止が発表されたのは、9年前に震災があった3月11日だった。震災当時、学校周辺は冠水し、しばらくは野球どころではなかった。部員も高齢者宅の後片付けを手伝うなど、ボランティアに取り組んだ。震災発生から10年を迎えた直後に開幕する大会に向け、須江航(わたる)監督(37)は「東北各地から選手が集まるチームだからこそ、東北初の(センバツ)優勝にかける思いはどこよりも強い」と力を込める。

 吉報が届いた29日、昨夏までエースナンバーをつけていた向坂(むかいざか)優太郎さん(3年)は「島貫を中心にまとまってしっかり準備をすれば勝ち上がれる」と後輩にエールを送った。島貫主将はスコアボード下のスローガンを見つめ、「先輩の分まで優勝を目指す」と誓った。【滝沢一誠】

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