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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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「先輩の分も」 昨年も“切符” 鳥取城北・明徳義塾が決意 第93回選抜高校野球

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先輩から譲り受けたバットを手に健闘を誓う鳥取城北の畑中未来翔主将=鳥取市で2021年1月29日午後5時13分、北村隆夫撮影 拡大
先輩から譲り受けたバットを手に健闘を誓う鳥取城北の畑中未来翔主将=鳥取市で2021年1月29日午後5時13分、北村隆夫撮影

 29日開かれた第93回選抜高校野球大会の選考委員会で、32校の出場が決まった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前回大会が中止となった2年ぶりの「春」。

 2年連続3回目の選出となった鳥取城北(鳥取)。打線の中軸を担う畑中未来翔(みくと)主将(2年)は「昨年のセンバツ中止で悔しい思いをした先輩の分まで頑張って日本一に」と力を込めた。

センバツ出場が決まり、喜ぶ鳥取城北の選手たち=鳥取市で2021年1月29日午後4時47分、北村隆夫撮影 拡大
センバツ出場が決まり、喜ぶ鳥取城北の選手たち=鳥取市で2021年1月29日午後4時47分、北村隆夫撮影

 畑中主将は旧チームでは唯一、下級生としてベンチ入り。不動の1番打者として強力打線を引っ張ってきた。昨年8月のセンバツ交流試合の前には、山木博之監督が3年生だけで戦うかどうかを選手たちに決めさせた。アンケートを取ったところ3年生のほぼ全員が「ベンチ入りできる3年生を減らしてでも、勝つために畑中が必要」などと回答。おかげで甲子園の舞台に立ち、3安打して期待に応えた。

 1試合だけの甲子園が終わった直後、4番打者だった吉田貫汰(かんた)前主将(3年)らから「絶対にセンバツに行けよ」と激励され、バットなどを譲られた。センバツと夏の選手権がいずれも中止になり、無念の涙を流した先輩たちの思いが詰まったバットだけに、畑中主将は懸命に振り込んでスイングの速さや精度を磨いた。秋の公式戦では2本塁打し、中国大会4強の原動力となった。

 センバツ切符が届いた29日、畑中主将は「甲子園では自分たちの成長した姿を見せたい」と表情を引き締め、厳しくも優しかった先輩たちに恩返しすると誓った。

現役選手と共に監督の元へ集合する新地投手(左奥)と新沢選手(右奥)=高知県須崎市の明徳義塾高校で2021年1月29日午後4時24分、北村栞撮影 拡大
現役選手と共に監督の元へ集合する新地投手(左奥)と新沢選手(右奥)=高知県須崎市の明徳義塾高校で2021年1月29日午後4時24分、北村栞撮影

 引退後も現役選手と練習に励み、後輩たちのセンバツ出場を後押しした3年生もいる。明徳義塾(高知)の昨夏までのエース・新地智也(しんち・ともや)投手と、4番を務めた新沢颯真(しんざわ・そうま)選手もその一人。新型コロナの影響で進学内定先での練習ができず、学校に戻ってきた。

 明徳義塾ではほとんどの選手たちが引退後も進学先や就職先で野球を続ける。だが、今の3年生は昨年出場が決まっていたセンバツも、夏の甲子園も中止となる悲運に見舞われた。それでも将来を見据えて練習に取り組む姿を後輩たちは心に刻んできた。

 昨年の秋季四国大会決勝で勝ち越し打を放った4番の森松幸亮(もりまつ・こうすけ)選手(2年)は打撃のスランプに苦しんでいた。県予選の決勝から四国大会準決勝までの4試合でヒットはわずか1本。思い通りにいかず悩む中で頭に浮かんだのは3年生の姿だった。「甲子園が中止になっても次のステップのために練習していた。しんどくなったときも3年生のことを思うと耐えられた」

 センバツ出場が決まった29日、3年生2人もグラウンドに姿を見せ、選手らをサポートした。新沢選手は「甲子園は小さいときから憧れた夢の舞台で素晴らしい場所。一戦必勝で頑張ってほしい」と後輩を激励。新地投手も「自分たちのときは大会がなくなって悔しかった分、代木(大和投手・2年)が良いピッチングをしてくれたらうれしい」と新エースへ思いを託した。【野原寛史、北村栞】

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