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アナキズム再考/下 女性活躍するロジャバ革命=長崎大准教授・森元斎

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 アナキズムには大きく二つの側面がある。一つには、私たちは不断の努力で、相互扶助を行い、この目の前にある生活を円滑に営むことが挙げられる。資本主義ですら、相互扶助がなければ、運営されないし、当然のように社会主義だろうが、同じである。相互扶助は私たちが生きる上で、なくてはならないあり方である。

 もう一つの側面はなんだろうか。それは、大きな流れの中で、突発的に小さなさざ波を繰り出し、大きな流れそのものの潮目を変えてしまうことにある。これは運動の現場において見いだすことができる。デモのコースでの大きな流れの中で、そのデモの流れを大きく変えていこうとする、それも楽しみや面白さを増幅させながらやってのける戦略はアナキズムのなせるわざである。例えばサウンドデモであったり、クラウン・アーミーという道化師の格好をしたり、大きな人形(パペット)をデモ隊で動かしたりする。またあるいは警察と衝突した際の退路や進路を網の目のようにくぐり抜けていくブラック・ブロックである。これは大きな流れの中の、小さな流れでありながらも、その潮目を変えていく戦略である。

 はたまたあるいは武装闘争がある。現在、アナキズムを看板に掲げて武装闘争をしているのがロジャバ革命である。教科書的には、2011年ごろから、国家を持たない最大の民族と言われているクルド人たちが、シリアの一部を中心にして、民族独立を目的に、ダーイシュ(イスラム国)と闘っているのが、ロジャバ革命だ。

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