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科学取材の経験が豊富な青野由利専門編集委員のコラム。

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カタリンの物語=青野由利

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 今、新型コロナウイルスのワクチンで注目されるのは二つのバイオベンチャー、独ビオンテック社と米モデルナ社だろう。

 どちらも、メッセンジャーRNA(mRNA)を使った遺伝子ワクチンの開発に成功し、各国で接種が進められている。

 ただ、白状すれば、私がモデルナの名前を知ったのはたかだか1年前。米大手ファイザーと組んだビオンテックはもっと後。新手法でワクチンを素早く作る? 無理じゃないの、とさえ思っていた。

 だが、長年の研究の積み重ねを知って不明を恥じた。中でも、昨年から海外メディアが相次いで取り上げているのが、技術の基礎を築いたハンガリー出身の生化学者、カタリン・カリコさんの貢献だ。今はビオンテック上級副社長の職にあるが、彼女の研究者人生は波乱に満ちていたようだ。

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