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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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第93回選抜高校野球 出場校、決定 今年こそ、夢描く 待望の春、32校に(その2止)

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センバツ出場が決まり喜ぶ下関国際の選手たち=山口県下関市伊倉の下関国際高で2021年1月29日午後4時43分、堀菜菜子撮影 拡大
センバツ出場が決まり喜ぶ下関国際の選手たち=山口県下関市伊倉の下関国際高で2021年1月29日午後4時43分、堀菜菜子撮影

 <2021 第93回センバツ高校野球>

下関国際 守備武器に

 1年生が主体の下関国際は「弱者が強者に勝つ」をスローガンに、着実に成長を遂げてきた。準優勝だった昨秋の県大会は決勝の4失策を含め、6試合で10失策。その後は一人一人が他のメンバーをどうカバーするかを意識して守備練習を繰り返し、中国大会では4試合で失策2個。準優勝を果たした。

 主将の賀谷は新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、「元気を与えるようなプレーをしたい」と語り、坂原監督は「ベスト8以上の成績を残したい」と話した。【堀菜菜子】

宮崎商 52年分暴れる

拳を固めて甲子園での健闘を誓う宮崎商の選手たち=宮崎市和知川原3で2021年1月29日午後4時31分、上入来尚撮影 拡大
拳を固めて甲子園での健闘を誓う宮崎商の選手たち=宮崎市和知川原3で2021年1月29日午後4時31分、上入来尚撮影

 52年ぶりの吉報に、マスクを着用してグラウンドに集まった宮崎商の選手たちは「甲子園、勝つぞ」と喜んだ。昨秋の九州大会は投打がかみ合い4強入り。準々決勝で2打席連続本塁打を放った主将の中村は「(大会までに)守備も打撃も伸ばしていきたい」と意気込む。

 宮崎県では新型コロナウイルス感染拡大により1月7日に県独自の緊急事態宣言が発令された。休校や部活動の休止で2週間以上、全体練習ができず、選手は各自でトレーニングに励んだ。中村は「不安もあったが、出場が決まったので気持ちを新たにやっていきたい」と笑顔を見せた。【黒澤敬太郎】

明豊 二枚看板でVを

センバツの出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ明豊の選手たち=大分県別府市で2021年1月29日午後4時29分、津村豊和撮影 拡大
センバツの出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ明豊の選手たち=大分県別府市で2021年1月29日午後4時29分、津村豊和撮影

 昨春はセンバツが中止となり涙をのんだが、8月の交流試合で明豊は勝負強い打撃で県岐阜商に勝利した。主将の幸は「新型コロナが収まらない状況で大会があることに感謝したい。去年、センバツが中止になって苦しんだ先輩たちの思いも背負って優勝を目指したい」と意気込んだ。

 昨秋の九州大会では右腕・京本、左腕・太田の二枚看板が好投し、ベスト4に進出した。昨夏の交流試合で甲子園の舞台を経験した太田は「去年は3年生のおかげで甲子園に立てた。日本一を絶対に取りたい」と話した。【辻本知大】

北海 春夏51回目、雪中で祝う

 真っ白な雪に覆われたグラウンドで歓喜の輪を広げた北海ナイン。野球部は1901年に創部し、今年120周年の節目を迎えた。主将の宮下は「歴代の先輩たちにも負けないチームワークで全国の頂点を目指したい」と意気込んだ。

センバツ出場が決まり、雪を投げて喜ぶ北海の選手たち=札幌市豊平区で2021年1月29日、北山夏帆撮影 拡大
センバツ出場が決まり、雪を投げて喜ぶ北海の選手たち=札幌市豊平区で2021年1月29日、北山夏帆撮影

 夏の甲子園に全国最多となる38回の出場を誇り、春夏通算51回目の甲子園への切符となった。学校では昨年11月に新型コロナウイルスの感染者が出たことから1カ月の休校期間があり、選手たちは自主練習を余儀なくされた。平川監督は「苦しい状況は続くが、選手には甲子園で力を発揮し、はつらつとしたプレーを見せてほしい」と期待を寄せた。【三沢邦彦】

初出場・聖カタリナ学園 「赤い旋風」聖地でも

 初めての甲子園出場が決まった聖カタリナ学園の主将の小沢は「昔からテレビで見ていた舞台に立てるのでうれしい。開催できることに感謝し、緊張せず楽しみたい。まずは1勝することを目標にして、勝利を積み重ねていきたい」と意欲を燃やした。

 2016年創部の若いチーム。同年夏の愛媛大会では1年生部員のみで8強入りし、赤色のチームカラーにちなみ「赤い旋風」と話題を呼んだ。昨秋の愛媛大会で初優勝し、四国大会で準優勝を果たした。

 出場決定を伝えた越智監督は「四国の代表として自分たちの力が発揮できるよう頑張ろう」と選手らに呼びかけた。【遠藤龍】

 ◆21世紀枠

八戸西/三島南/東播磨/具志川商 コロナ下、多彩な活動

21世紀枠での出場が決まり帽子を投げて喜ぶ具志川商の選手たち=沖縄県うるま市で2021年1月29日午後4時45分、田鍋公也撮影 拡大
21世紀枠での出場が決まり帽子を投げて喜ぶ具志川商の選手たち=沖縄県うるま市で2021年1月29日午後4時45分、田鍋公也撮影

 21世紀枠特別選考委員による順位付けの評価表などを参考に、まず東日本(北海道、東北、関東・東京、東海、北信越)から行い、評価の高かった八戸西を選出し、西日本(近畿、中国、四国、九州)からは東播磨を選んだ。地区を問わない残り2校は、それまでの評価が高かった知内、三島南、富山北部・水橋、矢上、具志川商の5校に絞った上で比較検討し、具志川商を3校目に決定。残る4校から三島南と富山北部・水橋に絞り、最後の1枠は投票の末、三島南を選んだ。

 八戸西は、野球部員が特別支援学校の生徒と一緒にパラリンピック競技でもあるボッチャなどをプレーし、支援学校の生徒が傷んだボールの補修作業などを行ってきた。特別選考委員会では「東京パラリンピックを前に世界的な潮流であるインクルーシブ教育(子どもが障害の有無にかかわらず一緒に学ぶ教育)に取り組んでいる」と高く評価された。

 先進的な取り組みでは、三島南も同様だ。日本高校野球連盟などが野球振興などを目的とした「高校野球200年構想」を立ち上げる2年前の2014年から、全国に先駆けて活動を開始。野球交流会などを6年間で31回行い、参加者1133人を数え、野球振興や地域貢献が高く評価された。

 東播磨は、新型コロナウイルスの影響で活動が制限される中、「Zoom」や「LINE」などオンラインツールを活用し、技術指導や部員の悩み相談などを行い「逆境をプラスに考える工夫がある」と評価された。また、野球部の活動を題材にした演劇部と放送部が全国優勝を果たし、演劇部の作品は映画化もされるなど校内に好影響を与えたのも好印象だった。

 具志川商は5年前には部員不足に陥ったが、企業で働くOBが監督やコーチとして指導するなど地域支援を受け、昨秋初出場した九州大会で勝利するなどV字回復を果たしたことが評価された。

 昨秋の明治神宮大会中止で今大会の「神宮大会枠」が21世紀枠に振り分けられた背景には、新型コロナウイルスに苦しむ中、高校球児が部活動に真摯(しんし)に向き合い、創意工夫を重ねて頑張ることが、全国の球児やファンに勇気を与えることにつながるとの考えがある。特色ある4校が選ばれた21回目の21世紀枠。多様性を象徴するセンバツらしい選考になった。【安田光高】

具志川商 初勝利の花咲かせる

 具志川商は、これまで沖縄大会8強が最高だったが、2020年秋大会は強豪の興南などを破って準優勝。九州大会でも熊本大会を制した東海大熊本星翔を制して8強入りした。

 主将の粟国は「率直にうれしい。今まで取り組んできたことを甲子園の舞台で発揮して、勝利という花を咲かせたい」と意気込む。

 沖縄のチームの21世紀枠での出場は、初年度(01年)の宜野座以来20年ぶり。喜舎場(きしゃば)監督は「県民の皆さんに全力プレーを見せて元気を与えたい」と活躍を誓った。【遠藤孝康】

2年ぶり開催、万全の準備で 高野連・八田会長

 日本高校野球連盟の八田英二会長が選考委員会総会の冒頭で、2年ぶりの開催となるセンバツに向けた思いを語った。

 「32校には昨年、出られなかった出場校の思いや今回選出されなかった学校の思いを受け止め、万全の準備で開幕に臨んでほしい」

 昨年3月11日。新型コロナウイルス感染拡大によるセンバツ中止の記者会見で、八田会長は「選手の健康、安全が第一」として苦渋の決断を下し、「甲子園の土を踏ませたい」と救済措置について言及した。その形が8月、昨年大会出場32校による原則、無観客の甲子園交流試合となって実現した。八田会長は「高野連の挑戦であり、新たな挑戦に向かう球児へのメッセージ」として位置付けた。感染防止を優先しトーナメント形式ではなく、各校1試合のみだったが、感染者を出すことなく無事に大会を終えることができた。

 この日の選抜選考委員会も史上初のオンラインで開催され、甲子園がある兵庫県でも緊急事態宣言が発令されるなど感染状況は予断を許さない。今春のセンバツは現在、感染対策などを講じた上で観客を入れる方向で準備を進めている。

 選考委員会後の記者会見でも、八田会長は「決定ではないが、PCR検査も視野に入れ、選手の健康管理に最大限配慮する。選手が安心してプレーできる環境を作るのが今回の最大の課題。昨年の経験、知見を生かしたいという固い決意で臨む」と表明した。春はセンバツから――。その言葉通り、高校野球の完全復活への第一歩としたい。【安田光高】


21世紀枠の選考基準

 センバツの招待大会としての特性を生かし、高校野球の模範的な姿を実践している学校を以下の基準に沿って選ぶ。

 (1)秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)(2)以下の推薦例のいずれかに当てはまる学校。少数部員、災害など困難な環境の克服▽学業と部活動の両立▽数年間にわたり試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない▽創意工夫した練習で成果を上げている▽部外を含めた活動が他の生徒や地域に好影響を与えている。


21世紀枠の出場校

2001年 安積(福島)宜野座(沖縄)

  02年 鵡川(北海道)松江北(島根)

  03年 柏崎(新潟)隠岐(島根)

  04年 一関一(岩手)八幡浜(愛媛)

  05年 一迫商(宮城)高松(香川)

  06年 真岡工(栃木)金沢桜丘(石川)

  07年 都留(山梨)都城泉ケ丘(宮崎)

  08年 安房(千葉)成章(愛知)

      華陵(山口)

  09年 利府(宮城)彦根東(滋賀)

      大分上野丘(大分)

  10年 山形中央(山形)向陽(和歌山)

      川島(徳島)

  11年 大館鳳鳴(秋田)佐渡(新潟)

      城南(徳島)

  12年 女満別(北海道)石巻工(宮城)

      洲本(兵庫)

  13年 遠軽(北海道)いわき海星(福島)

      益田翔陽(島根)土佐(高知)

  14年 小山台(東京)海南(和歌山)

      大島(鹿児島)

  15年 豊橋工(愛知)桐蔭(和歌山)

      松山東(愛媛)

  16年 釜石(岩手)長田(兵庫)

      小豆島(香川)

  17年 不来方(岩手)多治見(岐阜)

      中村(高知)

  18年 由利工(秋田)膳所(滋賀)

      伊万里(佐賀)

  19年 石岡一(茨城)富岡西(徳島)

      熊本西(熊本)

  20年 帯広農(北海道)磐城(福島)

      平田(島根)

  21年 八戸西(青森)三島南(静岡)

      東播磨(兵庫)具志川商(沖縄)

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