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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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時代の風

米議事堂襲撃事件 民衆が「暴徒」になるとき=長谷川眞理子・総合研究大学院大学長

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=幾島健太郎撮影
=幾島健太郎撮影

 うちには薪(まき)ストーブがあるのだが、それで火をたくにはコツがいる。大きな薪を積み、その上に小さな枝を置いて、着火剤で火をつければ簡単なのだが、火を維持するのが難しい。

 めらめらと勢いよく燃えていると思って油断すると、いつのまにかほとんど消えそうになっている。そんなとき、燃え残っている薪の黒い表面の下に、かすかに赤いきらめきがちらちらと見えればなんとかなる。そこに風を送り続けると、やがて、不意にまた大きな炎がよみがえるのだ。

 いつどこでこの大きな炎が再燃するのかは、予測がつかない。それでも、その炎のもとは、黒い静かな表面の下で、ふつふつとひそかに燃えていたのである。

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