日本の科学を元気に! 「日本版AAAS」にかける若手研究者の思い

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オンライン取材を受ける小野悠さん(左)と馬場基彰さん=2021年1月25日
オンライン取材を受ける小野悠さん(左)と馬場基彰さん=2021年1月25日

 有名科学誌「サイエンス」の発行元として知られる米科学振興協会(AAAS、トリプルエーエス)は、1000万人以上の会員を抱える世界最大の科学普及団体だ。この「日本版」組織を作ろうと、大学や企業の若手研究者らが2月1日、準備委員会を発足させた。合言葉は「日本の科学をもっと元気に!」。6月にもNPO法人化し、科学イベントや、科学技術政策に関する調査・提言などに幅広く取り組むという。委員長の馬場基彰(ばんばもとあき)さん(38)と小野悠(おのはるか)さん(37)に設立にかける思いを聞いた。【聞き手・阿部周一/科学環境部】

 ――まず、お二人の研究者としてのキャリアを教えてください。

 馬場 26歳で博士号を取った後、フランスで3年間、博士研究員として過ごしました。帰国後、大阪大にしばらくいて、2年前から京都大に移り、現在は任期付きの特定准教授として光の研究をしています。

 小野 専攻は都市工学です。アフリカのスラム問題を研究し、2016年に博士号を取得後、愛媛大に在籍しながら、松山アーバンデザインセンター(松山市)という公民学連携の街づくり組織で、都市計画などに携わりました。17年から豊橋技術科学大(愛知県)で任期付き講師をしています。

 ――今回の準備委員会発足のきっかけは?

 馬場 18年、自民党が発足させた「科学技術基本問題小委員会」の関係者に私がメールを送ったのが始まりです。若手研究者のポジションの不安定さや研究費制度の問題点など、現場感覚で「何でこんなことになってんの?」と感じていたことを書きました。…

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