特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

特養でクラスター 「入院順番」苦渋の選別 高齢者3人はなぜ死ななければならなかったのか

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
クラスターで入所者が死亡した東京都内の特別養護老人ホームの入り口には「面会中止」を伝える案内が掲示されていた=2021年1月28日午後1時57分、島田信幸撮影
クラスターで入所者が死亡した東京都内の特別養護老人ホームの入り口には「面会中止」を伝える案内が掲示されていた=2021年1月28日午後1時57分、島田信幸撮影

 新型コロナウイルスで重症化リスクの高い高齢者施設の入所者が、病床の逼迫(ひっぱく)で入院できない事態に陥っている。東京都の特別養護老人ホームでは1月に大規模クラスター(感染者集団)が起き、入所者約30人が施設で入院の順番待ちを余儀なくされた。このうち3人は容体が急変し搬送後に亡くなっている。誰を先に入院させるべきか。急変した入所者をどう救うのか。施設幹部が苦渋の選別を強いられた状況を証言した。

「延命希望でなければ受け入れ先はあります」

 「延命を希望しますか」

 1月下旬。新型コロナに感染していた高齢の入所者の容体が急変し、施設に駆けつけた救急隊員は職員に問いかけた。

 「家族は延命を望んでいます」。職員の回答を聞くと、救急隊員はその場で搬送先を探し始めた。ただ、受け入れ先はなかなか見つからなかった。重度のコロナ治療に対応できる病院は数が限られる上、コロナ患者の急増で病床の逼迫度は増している。救急隊員はこぼした。「延命希望でなければ受け入れ先はあります」

 コロナの本格的な治療が受けられない可能性はあるが、このままの状態が続いても症状は悪化するだけだ。時間が刻々と経過するなか、施設の職員は入所者の家族に電話して状況を説明した。決断を迫られた家族は、ためらいながら搬送…

この記事は有料記事です。

残り1189文字(全文1727文字)

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集