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<1面から続く>
議論呼ぶメルケル氏発言 背景にナチスへの反省
メルケル独首相のコメントはどう理解するのが自然なのか。ドイツ政府のホームページに掲載された報道官会見の発言録を慶大の粂川麻里生教授に詳しく解説してもらった。
粂川教授も、報道官が用いた「elementar」という言葉に注目する。
「elementarは、『基本的』『根本的』『出発点となる』という意味がありますが、記事は『絶対的』と訳しており、誤りです。『絶対的』は英語と同様に、ドイツ語で『absolut』あるいは『unbedingt』と言います。報道官が伝えたメルケル首相の考えを逐語的に受け取ると、『意見表明の自由は根本的に重要だが、それにも介入はなされうる。ただし、それは諸法に従って、立法府が規定した範囲においてのみ認められうる』となります。『意見表明の自由が重要』とした後に『aber(だが)』という文脈になりますので、『強調した』も誤りです」
共同通信の記事には<意見表明の自由を守ることは絶対的に重要だと強調した>と地の文で書かれており、誤読の余地を残している。
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