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共通テスト最速詳報 コロナ禍での準備奏功か 初実施も平均点は下がらず

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席の間隔が空けられた試験会場で開始を待つ受験生ら=東京大で2021年1月16日
席の間隔が空けられた試験会場で開始を待つ受験生ら=東京大で2021年1月16日
共通テストの主な科目の平均点と予想平均点 拡大
共通テストの主な科目の平均点と予想平均点

 大学入試センター試験の後継となる大学入学共通テストの第1日程が終わり、国公立大入試が本格化する。大都市部を中心に緊急事態宣言が発令される中で行われた共通テストの状況について、主要大学の動きと併せて探った。

 2021年度入試(21年4月入学)が初めてとなる大学入学共通テストは、思考力・判断力が問われる出題となり、難化が予想されていた。しかし、いざふたを開けてみると、大学入試センターからは公表されない5教科7(8)科目の平均点は、20年度のセンター試験を上回った。河合塾教育情報部統括チーフの亀井俊輔氏は言う。

 「事前の想定では、共通テストに変わって平均点ダウンを予想していましたが、結果として前年のセンター試験と大きく変わりませんでした。コロナ禍で危機感を持って予想問題に取り組むなど、年間を通して頑張った成果。大変な年によくやったと思います」

 「共通テストの主な科目の平均点」を見ると、数学と倫理、生物で大幅アップ。このうち倫理は公民の中で政治・経済と20点以上の平均点差があったため、政治・経済及び現代社会との差を15点に縮める得点調整が行われた。同様に、理科の生物と化学及び物理の間で得点調整があった。公民や理科の配点比率が高い大学では、ボーダーラインが変わる可能性がある。得点調整の影響を駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一氏に聞いた。

 「公民は選択する受験生が少なく影響は限定的です。理系の大半が受けている化学の影響は大きい。得点調整があっても見かけ上の目標ラインが上がるだけで、全体の順位は変わりません。共通テストの持ち点が上がり、2次試験との総合点で争う際のハンディキャップは小さくなります」

地方難関大が志望増 大都市敬遠が影響か

 学部志望状況は、理系学部の人気が高く、文系学部の人気が低い「理高文低」が続く。理系学部の中では医と薬の人気が高い。それでも河合塾の亀井氏は、医学部(医学科)への強気の出願を勧める。

 「共通テストの平均点は上がりましたが、得点率8割を超える上位層は前年より減っています。大学によりますが、医学部のボーダーラインは若干ダウンしたところが目立ちます。しっかり準備してきたのなら、志望者が増えていても出願を勧めます」

 理や工の志望者は前年並みだが、上位層が減っている分、ボーダーラインが下がる傾向にある。ただ、情報系はボーダーラインが下がっておらず、志望者も増えているので要注意。文系全体の志望者が減っているとはいえ、経済・経営・商学系や法学は前年並み。大きく減っているのは、コロナ禍の影響が色濃い語学や国際関係だ。

 大学別の状況に注目すると。人気が高いのは難関大だ。ベネッセコーポレーション学校カンパニー、教育情報センター長の谷本祐一郎氏は、こう話す。

 「成績上位層が減っても、旧七帝大に東京工業大、一橋大、神戸大を加えた難関国立10大学の前期の志望者指数は104(前年を100とした時、以下同じ)で、京大を除いて国公立大全体の志望者指数99を上回っています。難関大を目指す受験生は、ブレていないということです。難関大に次ぐ各地の準難関大の指数も102で、前年を上回っています」

 難関大の中でも志望者増が顕著なのは、九州大や北海道大、神戸大だ。駿台の石原氏は言う。

 「北海道大や九州大は地元志向の強まりの影響です。東大や京大に出願してもおかしくない受験生も志望しているのでしょう。共通テストの比率が高い神戸大の志望者増は、共通テストの平均点アップが要因として挙げられます」

 東大と京大の状況を見ると、東大の文科類は、文Ⅰの減少が顕著だが、第1段階選抜合格の目標点が文科類の中で最も低いため、実際の志願者は増える可能性がある。理科類は理Ⅱが増え、理Ⅰは前年並み、理Ⅲは減少している。

 京大は難関国立10大学の中で志望者の増え方が鈍く、法、総合人間、工、医(人間健康科)で志望者が大きく減っている。近畿圏には、大阪大や神戸大があるため、難関大志望者の中での安全志向が働いているようだ。

 準難関クラスの志望者増は地元志向の強まりが影響している。このクラスで注目されていたのが、コロナ禍を受けて、教育以外は共通テストの成績のみで合否判定をする横浜国立大だ。現時点の志望者は前年並みだが、実際の出願状況はどうなるのだろうか。

 「ボーダーラインより下の受験生は出願せず、超えていてもギリギリでは怖くて出願できない。現在志望していても出願しない受験生がいるので、倍率が上がることは考えにくい」(予備校関係者)

 難関国立10大学や準難関を除く一般的な大学は微減だ。しかし、コロナ禍で地元の国公立大を目指す受験生は増えており、自己採点の結果次第では、準難関大からの志望変更による倍率アップも考えられるので注意が必要だ。

 コロナ禍の21年度入試は横浜国立大以外にも、宇都宮大や東京外国語大、埼玉県立大、山口東京理科大など、2次試験の中止や試験時間の変更を行う大学がある。ベネッセの谷本氏は言う。

 「共通テストの第2日程ができたため、出願までの期間が長い。感染状況次第では、その間に2次試験に変更が出ることが予想され、例年以上に最新の情報を得ることが大事です。そのうえで共通テストの結果に一喜一憂せず、最後まで諦めずに頑張ってください」

 案じられた共通テストの極端な難化はなく、第一関門を無事通過した受験生は多いことだろう。今後の情報確認を怠ることなく、2次試験に向けた準備を進めたい。

【大学通信・井沢秀】

*「サンデー毎日」2021年2月7日号より転載。実際の誌面には河合塾と駿台・ベネッセが集計した全国174国公立大の「合格」ボーダーラインが掲載されています。

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