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圧巻たるキャラを活写
■男優主演賞 森山未來「アンダードッグ」
「落ちこぼれた男のもの悲しさ」と森山、「性同一性障害にまつわる悲哀」と草彅、「さすがの存在感」と石橋。投票で森山3、草彅2、石橋1。
<講評>「人類資金」においてもイスラエル格闘技を特異なる身体能力で発揮してみせた森山未來が、今回もまた鍛え抜かれた体軀(たいく)と動きで圧巻たるキャラクターを活写してくれた。子供の頃、飲酒も喫煙もやめない日本ランク下位のボクサーと顔見知りになった。半世紀以上も前の事で階級はもちろん、リングネームすら思い出せないのだが、かませ犬としてマッチメークを組まれ、敗北も年齢も重ねていくそれは末永晃そのものだった。森山を見た時、それでもボクシングの世界から抜けられない悲壮感に愕然(がくぜん)とし、デジャブのごとくリアリティーを持って躍動してくれた彼に、積年の涙が止まらず流れた。(足立喜之)
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