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国境も政治的緊張もコロナ禍も超えて 東京で日韓の演劇交流イベント

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「激情万里」の一場面=奥秋圭撮影
「激情万里」の一場面=奥秋圭撮影

 戯曲を通じて互いの共通点、そして違いを知る。それぞれテイストの異なる3作品が、あらためて韓国戯曲の奥行きと面白さを感じさせた。日韓演劇交流センター(大笹吉雄会長)が1月27~31日の5日間、東京の座・高円寺で開催した「韓国現代戯曲ドラマリーディングⅩ」である。両国間の政治的緊張、さらに新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言下という中ではあったが連日盛況となり、日本でも上演が増えている韓国現代演劇への関心の高さをうかがわせた。

 サッカーW杯が日韓で共催された2002年から、同センターと韓日演劇交流協議会(シム・ジェチャン会長)が、交互に戯曲のリーディング公演と翻訳出版を通した交流を続けてきた。20年となる来年で、それぞれ50人の作家と戯曲を紹介することになる。例を見ない事業であろう。

 今回、リーディング上演されたのは金明坤(キム・ミョンゴン)の「激情万里」(石川樹里訳、南慎介演出)、宣旭炫(ソン・ウッキョン)の「椅子は悪くない」(上野紀子訳、鄭義信演出)、具滋慧(ク・ジャヘ)の「加害者探求―付録:謝罪文作成ガイド」(洪明花訳、西尾佳織演出)の3本だ。

歴史や人間の本質問う3作品上演

 「激情万里」は、日本による植民地支配時代の1920年代から、朝鮮戦争が起こった50年代という、朝鮮半島の激動の時代に翻弄(ほんろう)されながら生きた演劇人たちを描く大河ドラマだ。日韓に横たわる暗い歴史が背景となるが、時には主義や思想の違いから仲間とたもとを分かち…

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