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緊急事態宣言の延長 もう1周頑張れる説明を

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長を政府が決めた。東京都や大阪府など10都府県で来月7日まで続く。

 1日当たりの新規感染者数は減少傾向にあるが、医療体制は機能不全が懸念される状況だ。延長はやむを得ない。

 菅義偉首相は宣言の発令時に「1カ月後には必ず事態を改善させる」と強調した。国民や事業者に「もう1周」の努力を求めるならば、問題点を洗い出して今後に生かさなければならない。

 飲食店でのクラスター(感染者集団)は減少し、専門家は夜間の営業時間短縮要請は一定の効果があったとみている。

 一方で、昼間や休日の人出は昨春の宣言時ほどは減らなかった。テレワークの実施率も低い。

 当初、政府が夜の飲食の感染リスクを強調する中で、昼の外出は問題ないとのメッセージが伝わった。その影響が尾を引いたのではないか。政治家にも緊張感を欠く無責任な行動が目立った。

 テレワークでは、出勤者数7割削減の目標を浸透させられなかった。中小企業には「生産性が下がる」などの懸念もあるようだ。

 最近は高齢者施設でクラスターが増えている。陽性者が確認された場合は速やかに全ての利用者や職員を検査し、感染対策を助言する専門家を派遣できるよう、政府や自治体が連携して体制を強化しなければならない。

 延長に伴い飲食店など事業者の経営は厳しさを増す。支援策の拡充が必要だ。時短営業に応じた場合の協力金を、事業規模に合わせて増額するよう検討すべきだ。生活が困窮した人へのきめ細かな対応も欠かせない。

 宣言解除について、政府は感染状況や医療体制の逼迫(ひっぱく)が「ステージ3(感染急増)」相当に下がることを一つの目安に挙げている。

 ただ、性急な解除は短期間での感染再拡大を招きかねない。経済との両立を考えても、感染者数をさらに抑制する必要がある。

 大阪府は早期の宣言解除を見据えた独自の基準を公表した。国と自治体で出すメッセージが異なれば、人々が混乱する。

 政府は対策の検証と説明を尽くし、国民の協力を得る努力を続けるべきだ。

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