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上場企業の株式を間接的に買い続け、日本企業の「最大株主」となった日銀。株価次第で含み損を抱えるリスクが高まっても日銀が対応策を語らない中、専門誌に寄稿されたアイデアが金融関係者の注目を集めている。筆者は政策決定に携わった元日銀幹部であり、今の日銀の“本音”を代弁しているようにもみえるからだ。
寄稿したのは、元日銀理事で日本証券金融社長の櫛田誠希(しげき)氏(62)。日銀は上場投資信託(ETF)の形で株式を間接的に買っており、保有額は時価換算で50兆円超に上る。日銀がETF購入に踏み切ると決めた2010年10月には、櫛田氏は金融政策の立案に関わる企画局のトップだった。当時の金融政策決定会合では、ETFは特定企業に偏らず市場全体への影響が期待できる金融商品として「(購入対象の)候補になり得る」と説明した。
櫛田氏の寄稿は「日銀保有ETFの行方は」と題したコラムで、月刊専門誌「証券アナリストジャーナル」(20年11月号)に掲載された。文中では「日銀が長期にわたり株式市場の主要な株主であり続けることは望ましいことではない」と現状に警鐘を鳴らし、「直接個人に保有してもらう出口が最も望ましい」と指摘した。
日銀が保有…
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