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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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黒い濁流、車流され「映画のよう」 職員が語る仙台空港の3・11

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震災当時を記録した資料を見返す仙台空港職員の木村昭仁さん=宮城県名取市で2021年1月5日午後0時5分、滝沢一誠撮影
震災当時を記録した資料を見返す仙台空港職員の木村昭仁さん=宮城県名取市で2021年1月5日午後0時5分、滝沢一誠撮影

 2011年3月の東日本大震災で、仙台平野沿岸の宮城県名取市と岩沼市にまたがる仙台空港には激しい津波が押し寄せた。空港は一時孤立したが、ターミナルビルに避難した地元住民らは全員無事だった。震災から10年を前に、当時を知る空港職員の証言から緊迫した状況を振り返った。【滝沢一誠】

 「全員、上に来い!」

 叫び声が空港ビルの2階から吹き抜けを通じて響き、1階にいた空港職員の木村昭仁さん(45)たちの耳に届いた。避難してきた高齢者の介助を急いで終えて3階に上がると、押し寄せてくる黒い濁流が見えた。「車が流されていくのが見え、映画のようだった」

 木村さんは民営化前のビル運営会社「仙台空港ビル」で経理を担当し、11年3月11日の午後はビル3階の事務所で仕事をしていた。立っていられないほどの揺れが始まり、書棚が倒れたり天井が落ちてきたりした。自身にけがはなかったが、津波が来るという情報を受けて周辺の住民や高齢者施設の入所者らが徐々に避難してきた。ビルには旅客や職員を含めて1695人が集まった。

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