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バイデン政権2021

第46代米大統領となったバイデン氏。分断された国内や不安定化する国際情勢にどう対応するのでしょうか。

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去り際に流された二つの名曲 トランプ氏が選んだ理由は Y.M.C.A.とマイ・ウェイ

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退任前の最後の演説に臨むトランプ前米大統領=米ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地で1月20日、AP
退任前の最後の演説に臨むトランプ前米大統領=米ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地で1月20日、AP

 退任したトランプ前米大統領が首都ワシントンを離れる際、二つの名曲が流された。世界的に知られる「Y.M.C.A.」と「マイ・ウェイ」。トランプ氏の選曲に特別な理由や意味はあったのか。そして近年の大統領は音楽をどう活用してきたのだろうか。

 「Y.M.C.A.」は米グループ、ビレッジ・ピープルが1978年に発表したダンスナンバーとして大ヒット。日本でも歌手の西城秀樹さん(故人)が「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」のタイトルでカバーした。「マイ・ウェイ」は20世紀の米国を代表する歌手フランク・シナトラさん(同)が69年に発表し、世界で最も多くカバーされた曲の一つとして歌われてきた。

 大統領の任期が満了した1月20日。トランプ氏は後任のバイデン新大統領の就任式への出席を拒み、首都ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地で支持者らを前に9分間近く演説した。終了後に大音量で流されたのは「Y.M.C.A.」だった。そのまま大統領専用機に搭乗し、「マイ・ウェイ」が響き渡る中、南部フロリダ州で自身が所有する別荘「マララーゴ」に向け飛び去った。

 なぜ最後の曲が「マイ・ウェイ」だったのか。実は2017年に大統領に就任した日の夜、舞踏会でメラニア夫人とダンスした際にも「マイ・ウェイ」を選んでいた。「本を立てる際に使うブックエンドのように、トランプ政権の最初と最後を締める意味で、この曲を選んだのではないか」。30年近く大統領選の現場取材を続けてきたジャーナリストの堀田佳男氏は、選曲の狙いをこう指摘する。

 この曲の出だしの歌詞は、信じた道を歩んだことに間違いはなかったと自らの人生を振り返る内容だ。「『マイ・ウェイ』に自らを重ね合わせ、4年間の花道を飾ろうとしたのだろう。仮に再選されていた場合、(予定通りに)25年に退任するときも、この曲を使ったはず」と堀田さん。

 「米国第一主義」を掲げ、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」やイラン核合意からの離脱など世界を揺るがしたトランプ氏はまさに、「我が道」を歩み続けた。ちなみにシナトラさんは生前、当時は実業家だったトランプ氏のことを嫌っていたとの逸話がある。

     ◇

 「Y.M.C.A.」もトランプ氏が選挙集会で度々流し、愛好した曲である。しかし、メンバーらが作詞・作曲したビレッジ・ピープルは無断使用されたとして、何度も著作権の侵害を訴えてきた。最後も無許可で使われ…

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