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あしたに、ちゃれんじ

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志が地域を元気にする 連続講座を企画する片岡小百合さん=中川悠 /大阪

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2021年2~3月に開かれる講座をアピールする片岡小百合さん 拡大
2021年2~3月に開かれる講座をアピールする片岡小百合さん

 「地域を元気するために必要なことがわかりました」「動いている人の話を聞くと勇気が出ます」。そんな感想が次々と届くセミナーがある。「地域の新しい伝えかた学校 わかる総合講座」。講座を仕掛けているのは、富士通エフ・オー・エム関西支社(大阪市)地方創生グループの片岡小百合さん(50)だ。

 片岡さんは、企業のウェブ制作やプロモーション商談などの対応に携わった経験を地域活動に生かそうと、休日に奈良のまちづくり活動や地域活性の取り組みに参加していた。地域にはたくさんの課題があり、活動の継続には経済的な仕組みも必要。ただ「MBA(経営学修士)で学んだ経営のフレームワークを当てはめ、イベントを企画してみたが思い通りには進まなかった」と振り返る。

 企業の仕組みが地域では通用しない。この「違和感」は何だろう。多くの人に出会う中で見えてきたのは「仕事の一環として分業で動く人」と「自分の志で動く人」の違い。つまり「自分の中に志すものがなければうまくいかない」ということ。

 「当たり前のようだが、企業人として生きてきた自分には目からうろこが落ちるような気付きだった」と片岡さん。企業で働きながら地域に関わる人は、同じ悩みを持っているんじゃないか、彼らに学びを届ければ地域は更に元気になるんじゃないか――。偶然にも社内で新規事業を提案するチャンスがあり、すぐに手を挙げた。

 企画したのは、地域活動やコミュニケーションの第一線で活躍する講師を招いた連続講座。プロジェクトのリーダーに抜てきされ、昨年2月から講座を始めた。コロナ禍で中断も余儀なくされたが、オンライン形式で計8回をやり遂げた。受講者は延べ100人超に上った。

 講師は片岡さんにも本気で迫っていく。プロジェクトエディターの紫牟田伸子さんには打ち合わせで「どこかに書いてある正しいことではなくて、あなたが自分のおなかで思っている気持ちを話して」と言われた。編集家の松永光弘さんは「言葉を体験と共に捉える大切さ」を繰り返し伝えてくれた。自分が体験し、言いたいことを見つけることが大事。足で稼ぐことを忘れてはいけないと。企業人として感じてきた「違和感」の正体が見えた。最前線で活躍する人は、自身の体験に裏打ちされた真摯(しんし)さで目の前の課題に立ち向かっている。

 2年目を迎える連続講座は、2月4日~3月25日に計8回開く。鎌倉で地域活性化に取り組む「面白法人カヤック」の柳澤大輔さん、雑誌「自遊人」編集長の岩佐十良さんら講師陣は多彩だ。片岡さんは「自ら行動することが今後の人生の価値になる。自分が強烈に感じた衝撃を多くの人に伝えたい」と意気込む。

 講座の詳細はホームページ(https://www.fujitsu.com/jp/group/fom/services/school/wakaru2.html)。途中参加も可能。問い合わせは、富士通エフ・オー・エム関西支社地方創生グループ(電話06・6945・4520)。<次回は3月12日掲載予定>


 ■人物略歴

中川悠(なかがわ・はるか)さん

 1978年、兵庫県伊丹市生まれ。NPO法人チュラキューブ代表理事。情報誌編集の経験を生かし「編集」の発想で社会課題の解決策を探る「イシューキュレーター」と名乗る。福祉から農業、漁業、伝統産業の支援など活動の幅を広げている。

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