連載

金言

欧州総局長、外信部長などを歴任した小倉孝保論説委員のコラム。

連載一覧

金言

WHOは負けたのか=小倉孝保

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長=AP
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長=AP

 <kin-gon>

 「巨人が負けるのは東京ドームのせいですか」。こう語るのは元外交官の赤阪清隆さん(72)である。野球の話ではない。新型コロナウイルス感染拡大の責任を、世界保健機関(WHO)に負わせるのは酷だと言いたいのだ。

 赤阪さんは1971年、外務省に入り、WHOや経済協力開発機構(OECD)など国際機関で勤務し、2007年から5年間、国連事務次長を務めた。その彼から見ると、国際機関は各国協調の場を提供するもので、政策を決定するのはあくまで加盟国である。

 野球の例えを赤阪さんが持ち出すのは、日本ではWHOへの評価が極端に低いためだ。昨夏、米調査機関が発表した結果によると、WHOのコロナ対応について、日本では24%が評価し、67%は評価していない。「評価する」割合を国別にみると、デンマーク74%、英国64%、フランス62%。トランプ前大統領がWHOを「中国寄り」と批判した米国でさえ53%が評価している。

 確かに中国で感染が始まった際の、WHOの対応はまずかった。専門家による緊急会合をしばらく開かず、テドロス事務局長は中国政府の対応を、「称賛されるべきだ」と評価している。その後の世界的流行を見れば、リップサービスが過ぎたのは明らかだ。

 一方、赤阪さんからすると…

この記事は有料記事です。

残り486文字(全文1025文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集