国民は「自粛」なのに国会議員はOK? コロナ下でも会食をやめないワケ

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
「勝負の3週間」が経過したことや、政府が「5人以上」の飲食を控えるよう呼びかける中、自ら自民党の二階俊博幹事長らと8人で会食したことについて記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2020年12月16日午後6時39分、竹内幹撮影
「勝負の3週間」が経過したことや、政府が「5人以上」の飲食を控えるよう呼びかける中、自ら自民党の二階俊博幹事長らと8人で会食したことについて記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2020年12月16日午後6時39分、竹内幹撮影

 あいた口がふさがらない。政府が国民に「会食の自粛」を求めているにもかかわらず、政治家の会食が続いている。松本純・衆院議員ら3人が銀座の高級クラブで深夜に飲食し、公明党の遠山清彦氏も同様の行為があったとして衆院議員を辞職。松本氏は当初の「1人だった」という説明がウソだったと判明するオマケまでついた。そもそも国会議員はなぜこれほどまでに会食をしたがるのだろうか。会食しなければ実現できない何かがあるのか?【木許はるみ/統合デジタル取材センター】

相次ぐ政治家たちの会食

 政治家の会食が騒がれ始めたのは、昨年12月だった。

 政府の新型コロナウイルスの分科会が10月23日、5人以上の会食を控えるよう呼びかけた。だが12月14日、菅義偉首相と自民党の二階俊博幹事長が、ソフトバンク球団会長の王貞治氏やタレントのみのもんた氏らと8人で「ステーキ会食」をしていたことが判明した。しかも、出席者全員が重症化のリスクが高い70歳以上。その後の記者会見で二階氏は「別に8人で会っただけで、会食という、そんなことを特にやったわけではない。飯を食うために集まったのではない」と開き直った。17日には橋本聖子五輪担当相が都内のすし店で、6人で会食していた。

 一方、日本医師会の中川俊男会長は1月6日、「国会議員は夜の会食全面自粛を」と求め、「範を示していただきたい」と訴えた。これを受け、与野党は緊急事態宣言の開始日となった1月8日、会食の自粛を所属議員に要請した。

 にもかかわらず、その後も「会食判明」は続いた。

 自民党の石破茂元幹事長は1月8日、福岡県で山崎拓元自民党副総裁らと大人数で「ふぐ会食」。石破氏は「部屋に入って、5人以上による会であることが分かった」と釈明。「お断りするのはせっかくのご厚意を無にすることになるため、礼を失するとの思いが勝ってしまった」とコメントしている。

 1月18日には、自民党の松本純元国家公安委員長がイタリア料理店を訪問後、銀座のクラブ2軒をまわり、深夜まで滞在。自民党の田野瀬太道副文部科学相と大塚高司衆院議院運営委員会理事の2人も1軒目と3軒目に同席していた。松本氏は当初「1人だった」と繰り返していたが、「実は後輩2人と訪問していた。前途ある彼らをかばいたい思いだった」と明かしている。3氏は離党勧告を受け、自民党を離党した。

 1月21日には、自民党の石原伸晃元幹事長と坂本哲志地方創生担当相、野田毅元自治相の3人が派閥の会合に出席した後、都内のレストランで昼に食事をしていた。石原氏はPCR検査を受け翌日に陽性が判明。発熱やせきなどの症状はなかったが、不整脈の既往症があり、即日入院した。昼食時は「食事以外はマスクを着けていた」という。

「会食政治」は文化?

 そもそも、政治家たちはコロナ禍での自粛があっても会食を続けるのだろうか。

 かつては「料亭政治」という言葉が広く知られていた。有力政治家たちが秘密裏に物事を決める「密室政治」の温床として、度々世論の批判を浴びた。タレントで元衆院議員の杉村太蔵さんは2005年に初当選した際、…

この記事は有料記事です。

残り1504文字(全文2781文字)

あわせて読みたい

注目の特集