- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

(日本経済新聞出版・2090円)
米国のスペースシャトルが生まれるころから40年以上、日本の宇宙開発の現場に携わってきた著者のあまたの経験と思いを注ぎ込んだ「未踏への挑戦」の指南書といえる。
当初の日本は、シャトルのプロジェクトへ参加しようとしても、書類の言葉も通じない「有人宇宙開発初心者」の悲哀を味わった。一方、シャトル事故など深刻な危機を切り抜ける組織の振る舞いも学んだ。
まるで小学生が徐々に進級し、社会人へと成長するように、関係者一人一人が試行錯誤しながら挑戦を形にしていく過程が興味深い。その歴史の結晶が、国際宇宙ステーションで頼りにされた日本の無人補給機「こうのとり」だろう。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)執行役として、実現が不透明だった小惑星探査機「はやぶさ2」の開発体制の強化に手を尽くしたエピソードの詳細は、当事者ならではの記録だ。
この記事は有料記事です。
残り112文字(全文493文字)