慰安婦、元徴用工…日韓の司法判断なぜズレる? 波多野筑波大名誉教授

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韓国での司法判断の背景について語る波多野澄雄・筑波大名誉教授=東京都内で2021年1月26日午後1時7分、川口峻撮影
韓国での司法判断の背景について語る波多野澄雄・筑波大名誉教授=東京都内で2021年1月26日午後1時7分、川口峻撮影

 元慰安婦への損害賠償を巡る訴訟で、ソウル中央地裁が日本政府に元慰安婦らへ1人当たり1億ウォン(約950万円)の賠償を命じた判決が1月23日、確定した。韓国では、慰安婦問題や元徴用工訴訟をはじめ、両国の歴史認識を巡り「解決済み」としてきた日本政府の主張を覆すような司法判断が相次いでいる。なぜ、韓国でそんな判決が続くのか。事情に詳しい有識者に話を聞く。

 初回は韓国大法院(最高裁)の元徴用工判決に詳しい波多野澄雄・筑波大名誉教授に語ってもらった。【川口峻】

人権に敏感、最後のとりで

 元徴用工問題は、企業側の待遇の悪さを元労務者が訴えた民事裁判だ。一方、元慰安婦の場合は、訴訟の相手が日本政府という点で異なり、韓国憲法に照らして、人権侵害のような反人道的な問題については主権免除が当たらないという判断を下した。

 二つの問題を踏まえて考えると、韓国は日本と同じ三権分立だが、韓国は憲法に厳格であり、司法府が行政府に一種の「介入」をして日本の確定判決を覆している、と言える。

 背景の一つは、両国司法の役割の違いがある。

 日本の司法は政治的に中立で、行政府に介入しないという建前がある。ところが韓国の司法府はそうではない。人権や人道という問題に非常に敏感で、司法が最後のとりでのような面がある。そうした韓国司法の側面が、今回のような判決をもたらしたと言える。

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