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新型コロナウイルスの流行により社会のデジタル化が進む中、東京都渋谷区は高齢者にスマートフォン(スマホ)3000台を無償で貸与する実証実験を始める。健康づくりや防災情報の伝達に役立ててもらい、情報格差解消につなげる考え。2021年度当初予算案に関連費用約3億6500万円を計上した。
区によると、対象はスマホを保有していない65歳以上の区民。区の防災アプリや健康づくりに役立つアプリをあらかじめインストールし、キャッシュレス決済や区役所業務の各種オンライン申請もできるようにする。
実証実験は2年を想定し、この間の通信料と通話料は基本的に区が負担する。スマホ調達やデータ収集などを担う事業者を公募し、9月からの配布を目指す。利用状況を分析しながら、今後の高齢者向け施策などに役立てたい考えだ。
区はスマホの操作方法を学ぶ講座を開催したり、個別相談を実施したりして参加者を継続的に支援する。さらにスマホの操作にくわしい区民を「デジタル活用支援員」として登録し、参加者を援助してもらう。別途、オンラインで保健師らと健康相談できる仕組みを整備し、参加者にも活用してもらう。区の担当者は「コロナ禍の新しい生活様式を実践するためにデジタル活用は不可欠。高齢者の生活の質を向上させるきっかけにしたい」と話している。【川村咲平】