JR佐賀駅に自動扉、3月設置 市民団体要望から半年「大きな一歩」

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2020年7月、JR佐賀駅長に要望書を手渡す内田勝也さん(中央手前)=竹林静撮影 拡大
2020年7月、JR佐賀駅長に要望書を手渡す内田勝也さん(中央手前)=竹林静撮影

 障害者やその家族らでつくる市民団体「佐賀の障がい福祉を考える会」(佐賀市)が2020年7月、JR九州に要望した佐賀駅(同)の出入り口の自動扉設置が3月に実現することが関係者への取材で判明した。JR九州が3月上旬に着工し、駅1階の南北2カ所に設置される予定。同会会長の内田勝也さん(31)は「大きな一歩。佐賀が暮らしやすい街になるよう活動の輪を広げたい」と喜びを語った。

 JR佐賀駅の出入り口には手動で開閉する両開きの扉があり、障害者が介助なしで動かすには負担が大きい。同会の車いすやつえを使う利用者から「重くて利用しづらい」「強風の日は開けるのに時間がかかる」などと声が上がり、要望書では駅の数カ所に自動扉を設けるよう求めていた。24年に国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会が県内で開催されることも見据え、「佐賀を訪れた人たちにも『優しさのある駅』を感じてもらいたい」と訴えた。関係者によると、工期は2週間ほどで3月中の完成を見込んでいる。

 「自動扉は車いす利用者だけでなく、多くの人が利用しやすいユニバーサルデザイン」と内田さん。歓迎の声は他団体からも上がり、双子や三つ子など多胎児を育てる母親を支援する「さが多胎ネット」の代表、中村由美子さん(55)は「双子用のベビーカーに子供を乗せたまま扉を開閉するのは難しく、本当にありがたい」と話す。

 「佐賀の障がい福祉を考える会」は20年7月、障害者や福祉関係の支援者、地方議員ら約40人でスタート。複数の福祉団体から会員が集まり、「個々の活動が初めてつながる場になった」(内田さん)。街中のバリアフリー化を目指し、自治体の担当者も交えた意見交換会を重ねてきた。最初の会議で駅の自動扉の設置を求める声があり、活動の第一歩として要望活動に取り組んだ。

 災害時に自力避難が難しい障害者の移動手段の確保や避難所生活、障害者の外出を助ける道路のバリアフリー化など課題は尽きない。内田さんは「障害者の視点を『当事者しか分からないこと』で片付けず、障害のあるなしに関係なく互いを知ろうとすることが大切。ハード面で街の改善を進めると同時に、相手を思いやる心のバリアフリーを進めたい」と力を込めた。【竹林静】

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