原子力規制庁、東電・柏崎刈羽原発の不正行為を規制委に報告せず

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原子力規制委員会の事務局を担う原子力規制庁=東京・六本木で2020年4月8日午後1時8分、荒木涼子撮影 拡大
原子力規制委員会の事務局を担う原子力規制庁=東京・六本木で2020年4月8日午後1時8分、荒木涼子撮影

 原子力規制委員会は8日、事務局を担う原子力規制庁が昨秋に東京電力から柏崎刈羽原発での不正行為の連絡を受けながら、今年1月まで規制委に報告していなかったことを明らかにした。

 規制委は昨秋、同原発の安全管理について定めた「保安規定」の審査中で、この報告を受けずに保安規定が国の新規制基準を満たしたと判断していた。規制委は、規制庁が認識していた東電の不正行為を知らずに審査していたことになり、規制委の判断の妥当性が問われることになる。

 規制委などによると、同原発の所員は2020年9月20日、他人のIDカードを使って不正に原発の中央制御室に入室。テロ対策などを定めている核物質防護規定に違反した恐れがあり、東電はその翌日に不正行為があったことを規制庁に連絡した。しかし、規制委は9月23日、その不正行為を把握せずに保安規定の内容を了承。規制庁から不正行為を報告されたのは、今年1月19日だった。

 規制委への報告が遅れたことについて、規制庁の担当者は「早急に報告する必要はないと判断していた。判断が甘かった」と釈明した。規制委の更田(ふけた)豊志委員長は「もっと早く報告を受けてしかるべきだ」との見解を示した。規制委は保安規定の審査をやり直さず、今後の検査で東電の対応をチェックしていくという。

 原発事故に関する新潟県の検証総括委員会の委員を務める佐々木寛・新潟国際情報大教授(政治学)は「規制委への報告が遅れたのは、規制庁が問題を軽く捉えていたとしか思えない」と指摘した。【塚本恒】

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