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3年8カ月前、いじめを原因に自殺した中学2年の女子生徒(当時14歳)を巡る調査で、学校側の対応に不信感を募らせた同級生が別の中学校に転校した。被害生徒に寄り添い、加害生徒に注意を促したものの、いじめはやまず、守れなかったことを悔いて学校に通えなくなった。そんな同級生に対し、学校側は第三者委員会による調査の有無や被害生徒の両親とのやり取りを問いただした。こうした事実は一切明らかにされず、学校側からの謝罪はいまだにない。「いじめ対応で不登校になった生徒がいたことを隠し続けたいのではないか」。同級生の母が抱いた不信感は今も消えない。
友の死に「(自分は)役立たずや」
自殺した生徒と同級生は2015年4月、兵庫県加古川市の市立中に入学し、同じクラスになった。好みの漫画や猫の話をするうちに友達になった。部活動は違ったが、カラオケや花火大会に一緒に出かけ、自宅も行き来してよく遊んだ。友へのいじめに同級生が気づいたのは2学期ごろ。自転車が分解され、悪口を書かれた紙を投げつけられている姿を見かけた。
「よくないよ」。加害生徒の一人に注意すると、「それ以上言うな」と反発された。3学期からは自らもクラスメートから無視されるようになった。それでも、母には「私が学校に行かなくなったら(被害生徒の)居場所がなくなる。頑張って行かないと」と話したという。この頃から、被害生徒に「一緒にいると癒やされるよ」と勧められた猫を飼い始めた。春休みには2人で体を寄せ合ってプリントシールを撮った。
2年生では違うクラスとなり、一緒に過ごす時間は減ったが、朝は廊下で「おはよう」と声を掛け合った。だが、夏休み明けから被害生徒を見かけなくなった。体調が悪いのかと心配していたが、16年9月、彼女は自ら命を絶っていた。
そのことを学校で知った同級生は泣き声をあげながら帰宅し、母にこう漏らした。「役立たずや。何もしてやれなかった」
亡き…
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