元慰安婦への賠償 韓国の司法はなぜ日本政府を裁くのか

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
戦後補償をテーマにした公開フォーラムに登壇した韓国の崔鳳泰(チェ・ボンテ)弁護士=東京都千代田区の弁護士会館で2017年3月6日、明珍美紀撮影
戦後補償をテーマにした公開フォーラムに登壇した韓国の崔鳳泰(チェ・ボンテ)弁護士=東京都千代田区の弁護士会館で2017年3月6日、明珍美紀撮影

 韓国の元慰安婦らによる請求権は消滅したとは言えないとして、日本政府に損害賠償を命じたソウル中央地裁。戦後補償問題において外交的解決が進展しないなか、司法がこれまでより踏み込んだ形だ。判決は1月23日に確定したが、日本政府は、主権国家は外国で裁かれない「主権免除」の適用を認めない異例の判決内容に猛反発している。外交に関わる重要な懸案にもかかわらず、韓国の司法がなぜここまでの判断を下したのか。韓国では司法にどのような役割が期待されているのか。戦後補償訴訟に携わってきた崔鳳泰弁護士に話を聞いた。【川口峻】

人権侵害には「果敢な判決」可能

 韓国は日本の植民地支配から抜け出すための独立闘争をし、その後は軍事政権を相手に民主化闘争をしてきた。100年以上の闘争をしてきた点で日本と歴史が異なる。その民主化の成果として得た代表的な制度が憲法裁判所だ。憲法裁判所では、憲法で保障されている基本権が侵害された場合、直接、権利救済を受けられる。

 同憲法裁判所は立法府の作った法律が違憲だと無効にできるだけでなく、行政府に対しては大統領の弾劾までできる。当然、大統領に比べ権力の弱い外交部(韓国外務省)にも違憲決定ができる。

 日本では…

この記事は有料記事です。

残り1382文字(全文1892文字)

あわせて読みたい

注目の特集