ムバラク退陣10年 革命に失望したエジプト 変革に何が不足?

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退陣直前にアラブ首長国連邦の外相と会談したエジプトのムバラク元大統領=カイロで2011年2月8日、ロイター
退陣直前にアラブ首長国連邦の外相と会談したエジプトのムバラク元大統領=カイロで2011年2月8日、ロイター

 2011年に中東各地へ広がった民主化要求運動「アラブの春」で、エジプトの独裁者ムバラク氏(20年死去)が大統領を辞任してから11日で10年となる。革命後の自由選挙で勝利したイスラム組織「ムスリム同胞団」出身のモルシ前大統領(19年死去)は13年に軍の介入で失脚。その後政権を握った軍出身のシシ大統領(66)は政治的自由より社会の安定を優先させる強権的な政策をとる。米シンクタンク・米国平和研究所チュニス事務所の中東専門家、エリ・アブアウン氏(レバノン出身)にエジプトとアラブ諸国の政治状況について聞いた。【チュニスで真野森作】

 ――エジプトの現状をどう見ますか。

 ◆市民の多くはシシ政権の国家運営に満足していないが、アラブの春から内戦に陥ったリビアやイエメンのようにはなりたくないとも考えている。また、イスラム政党主導の政権の再来も望んでいない。だからシシ政権がジャーナリストや活動家を迫害し、投獄しても受け入れている。(革命の結果に)一度失望した人々は、ほとんど何でも受け入れるようになる。

 ――10年前のデモの中心となったエジプトの中間層は、なぜイスラム政党主導の政権を望まないのでしょうか。

 ◆ムスリム同胞団に限らず、アラブ諸国で政権を握った宗教政党・宗教勢力はた…

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