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#五輪をどうする

辞任で終わらず構造改善を 古市憲寿さんの「わきまえない」提案

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「運動会」と評した五輪の新たな形を描く社会学者の古市憲寿さん=2020年9月14日、内藤絵美撮影
「運動会」と評した五輪の新たな形を描く社会学者の古市憲寿さん=2020年9月14日、内藤絵美撮影

 「五輪はただの運動会」。そう評するのは「わきまえない」発言で知られる社会学者の古市憲寿さん(36)だ。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)による女性蔑視発言をはじめ、五輪を取り巻く何がおかしいのか。一歩引いた目線の古市さんは「ニューオリンピック」を提案する。【聞き手・円谷美晶】

 ――以前から「おじさん」と表現する既得権益層に居心地のいい社会構造のひずみを指摘されています。森会長の女性蔑視発言の根底にも「おじさん問題」があるのでしょうか。

 ◆今回の一件で思い出したのが、2016年の東京都知事選です。(元都知事の)石原慎太郎さんが自民党推薦の候補者の応援演説で、対立候補だった小池百合子・現都知事を「大年増の厚化粧」と皮肉りました。候補者がそれをとがめずに一緒に笑ったことが、落選の一つのきっかけだったと言われています。

 問題の発言があった会合(日本オリンピック委員会評議員会)も同じです。上下関係で成り立っている男社会では反論しにくいのでしょう。森さんがもし「男の会議は短い」と思っているとすれば、事前の根回しなど会議の外ですごい時間をかけているからではないですか。その場に集まってフラットに意見を言える会合の方が、総時間は短いということもあるでしょう。

 これまでの日本は、おじさん中心に最適化された社会で、子育てしながら働く女性や男性は排除される構造でした。しかし、労働力人口の減少が進む中で、そうした仕組みでは国が回っていかないことはみんな分かっています。良かったなと思うのは、森さんの発言に対して年齢層を問わず多くの人が「いかがなものか」と批判していることです。かつての日本には、現代的な視点で考えると女性蔑視とも受け取れる発言にあふれていましたが、ほとんどは大きな問題になりませんでした。男女平等という点で、日本の社会は変わってきています。

 ――新型コロナウイルスの影響で五輪開催を支持する声が少ない中、森会長の発言でさらに逆風が吹いています。

 ◆平等や多様性を重視するイベントのトップという点では、森さんは辞めた方が五輪のためになると思います。…

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