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この国はどこへ コロナの時代に 政治学者・御厨貴氏に聞く 国会に「言葉」を取り戻せ

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=2019年、和田大典撮影
=2019年、和田大典撮影

与党言いっ放し、野党は罵詈雑言

 新型コロナウイルスが猛威をふるう「乱世」の日本を率いていく理想の政治リーダー像とは。それを聞きたくて、政治学者で東大名誉教授の御厨貴さん(69)に久々に取材を申し出た。TBSテレビ「時事放談」で11年半、司会を務め、延べ1000人超の政治家と渡り合ってきた百戦錬磨の猛者に、である。

 すると「僕は既往症ありの高齢者。リモートでいかが」との返答があり、2年ぶりにパソコン越しで対面した。数年前にぼうこうがんを患い、感染症に苦しめられたが、闘病前と違わぬ肌つやの良さ、「元気よ!」という張りのある声に安堵(あんど)した。

 さっそく冒頭の問いを投げかけた。「難しいよね」と口にしながら、脳内にある膨大な「人物録」から一つの答えをはじき出す。「過去の首相からピックアップするなら、小泉純一郎さんかな。彼は言葉で政治を回した人でしょ。非常時となれば、刻々と変わる状況に右往左往する様子が丸見えになるような人はダメなの。その状況すらのんでかかる人でないとね。間違った時に謝れるのも大事。彼なら『コロナがこうなったから、この施策は失敗だった。アハハ』って言えるんじゃないかな」

 さらに続けて「コロナは未知のウイルスで最終的にどんな政策が正解なのかは誰にも分からない。ならばリーダーは暗い顔で国民の前に立つのではなく、『一生懸命やっていこう』と明るく前向きに言える人がいいと思うんだ」。

 小泉氏と聞いて、あの人の顔が頭に浮かんだ。菅義偉首相である。それを見透かしたかのように「菅さんは官房長官の頃から『しゃべり』の人ではないし、元々説明を尽くすタイプではない。官房長官時代は安倍晋三首相のフォローもあってやれていたけど、いざ首相になると難しい。政策にせよ人事にせよ、最終決定者として自らの言葉で語らないといけないから」。

 御厨さんが「答弁とはいえない」と酷評したのが、…

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