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気候変動

気候変動対策強化へ世界が動き始めました。日本も新たな目標を設定。地球を守るために何が必要でしょうか。

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「くじ引き民主主義」で考える気候変動 日本でも新しい取り組み

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オンラインで行われた札幌の「気候市民会議」=実行委員会提供(画像の一部を加工しています)
オンラインで行われた札幌の「気候市民会議」=実行委員会提供(画像の一部を加工しています)

 脱炭素社会への転換をどのようにして進めるのか。暮らしにも密接にかかわる地球規模の難題について「くじ引き」で選ばれた市民が話し合いを重ね、国や自治体に政策提言する試みが、欧州から日本へ広がりつつある。【八田浩輔】

 「『温室効果ガス排出実質ゼロ』の目標をどのように実現すべきでしょうか」「『気候市民会議』に参加して、一緒に考えてみませんか」。2020年9月、札幌市の住民基本台帳から無作為で選ばれた16歳以上の市民3000人に、そんな文言が書かれた案内状が送られた。このうち48人から参加希望があり、札幌の「縮図」となるように年齢や性別のバランスを考慮して10~70代の20人が選ばれた。

 無作為抽出(くじ引き)で募った日本で初めての気候市民会議は、北海道大学などが研究プロジェクトとして試行し、札幌市も協力した。札幌市は同年2月、政府に先駆けて50年までの温室効果ガス排出実質ゼロ目標を独自に打ち出していた。実現には化石燃料に依存した従来の産業構造や生活の根本的な転換が欠かせない。住民目線による幅広い議論で新しい合意形成のあり方を探り、寒冷地の札幌に特有の気候政策につなげる狙いがあった。

 会議は20年11~12月にオンラインで4回にわたって開催。選ばれた20人の市民は、①「脱炭素社会の将来像」②「エネルギー」③「移動と都市づくり」――の三つの論点について、立場や観点の異なる専門家11人から情報提供を受け、グループに分かれて討議を重ねた。その後、計70項目の論点ごとに投票し、その内容を報告書としてまとめた…

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