日常にひそむヘイト 「日本に差別はない」は本当か
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黒人差別に対する抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大事だ)」が盛り上がった2020年夏、日本のSNS上ではしばしば、「日本には米国のようなひどい差別はない」という声が上がった。だが、本当にそうだろうか。21年2月、ある民間団体の調査結果が発表された。日本の大学や高校に通う在日コリアンと韓国出身の留学生の若者1000人超に差別体験の有無を尋ねた実態調査だ。浮かび上がったのは、「ひどい差別はない」と言える多数派からは見えない日本社会の一面だった。【後藤由耶/写真・映像センター、塩田彩/統合デジタル取材センター】
3人に1人が「言葉による嫌がらせ」
調査は、日本の学校で学ぶ韓国籍と朝鮮籍の学生を支援する公益財団法人朝鮮奨学会(東京都新宿区)が、高校から大学院までに通う奨学生を対象に、19年12月~20年2月に実施し、直近3年に限って経験を聞いた。回答者は1030人で、在日コリアンを含む日本生まれが約8割だった。
調査結果によると、在日コリアンであることなどを理由に「言葉による嫌がらせ」を受けたとする回答は30・9%。そのうち48・1%は相手が同級生など生徒・学生だった。さらに、アルバイト先の客(16・4%)や学校の日本人の教員(10・1%)など、身近な人からの被害が目立った。
ネット上で民族差別的な表現を見たとする回答は73・9%に上った。差別的な書き込みや記事を見るのが嫌でインターネット利用を控えた人は、「よくある」と「ややある」だけで計23・7%。生活に欠かせないネット利用にも影響を与えている状況が浮かび上がった。
ヘイトデモ・街宣について見聞きしたとする回答も75・7%にのぼる。店や交通機関、役所などの公共の場での嫌な思いや、アパートなど住宅を借りる際の差別的処遇は少なくとも計23・9%が経験していた。
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