ワクチン接種、2カ月遅れでスタートライン 日本が「綱渡り」の理由
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米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が来週、国内でも始まる。米英などでは昨年12月上旬に使用が認められ、他社製のワクチンも含めて世界中で1億5000万人以上が接種を受けたとされるが、日本は国内治験を追加で行うなど時間を要した結果、約2カ月遅れでスタートラインに立つ形となった。
米国などとの底力の差が露呈
「有効性、安全性に配慮した結果、時間を要した」。菅義偉首相は8日の衆院予算委員会で、日本のワクチン承認が欧米諸国と比べて遅いことについてこう言及し、理解を求めた。
国内で医薬品の承認審査は通常1年はかかる。今回は緊急性を踏まえて約2カ月に短縮した。ただ、各国で接種が進む中「日本は遅い」との不満もくすぶる。
なぜ時間がかかったのか。要因の一つは、日本人を対象とした国内治験を承認の条件としたことがある。
ファイザーは昨年7月から米国など6カ国で4万人超を対象に国際共同治験を実施。日本は感染者数が比較的少なく、効果の検証が難しいこともあって、この対象には入らなかった。
一方、国内で実質的な審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)は昨年9月、日本人への国内治験が必要、との見解を表明。一般的に医薬品は、人種による遺伝的な違いや、ワクチンなら過去に地域で流行した感染症にかかったかなどで効き目が変わる可能性があるとされる。「少数でも国内治験をやったほうがいい」(厚労省幹部)との判断があった。
国際共同治験の結果は11月にはまとまり、米食品医薬品局(FDA)は12月11日に緊急使用を許可。これに対し、国内治験は開始が10月にずれ込んだため、12月18日の厚労省への承認申請には日本人分のデータが間に合わず、今年1月29日に追加提出した。厚労省幹部は「日本は多くの薬害を経験した。ワクチンは健康な人に打つからこそ慎重であるべきだ」と強調する。
ただ、国際共同治験にはアジア人も5%(約230…
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