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「罰則は感染抑止に逆行」 「接待を伴う飲食店」からの訴え

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緊急事態宣言中も営業を続けている「ル・ジャルダン」。ママの望月明美さん(中央)やキャストはフェースシールドを着用して接客にあたっている=東京都中央区銀座で2021年2月1日午後7時20分、金志尚撮影
緊急事態宣言中も営業を続けている「ル・ジャルダン」。ママの望月明美さん(中央)やキャストはフェースシールドを着用して接客にあたっている=東京都中央区銀座で2021年2月1日午後7時20分、金志尚撮影

 緊急事態宣言の発令地域を中心に、飲食店に対する時短営業の要請が続いている。一方、クラブやキャバクラなど「接待を伴う飲食店」の中には要請に従わず、夜遅くまで営業を続けているところが少なくない。従わない店への罰則を定めたコロナ対策の改正特別措置法の施行日は13日。深夜遅くまで営業を続ける店を訪ね、時短要請に従えない事情を聴かせてもらった。【金志尚/統合デジタル取材センター】

のしかかる月600万円の家賃

 今年で創業25年を迎える東京・銀座の高級クラブ「ル・ジャルダン」。2月上旬の夜、ビル3階にある店を訪ねると、着物に身を包んだママの望月明美さん(55)が迎えてくれた。緊急事態宣言中で飲食店は午後8時以降の営業自粛を要請されているが、ここは午前0時まで店を開けている。

 望月さんは銀座で計4店舗を持ち、かつては年商10億円を誇った。だが、コロナ禍で苦境が続く。昨年の緊急事態宣言中は全店舗で2カ月間休業し、再開後も客足は戻らなかった。それならばとオンラインで接客を受けられるサービスなど新たな試みを始めるも、どれもうまくいかない。感染が落ち着いた秋ごろにようやく状況が上向き、一息つきかけたのもつかの間、冬場の「第3波」到来と2度目の緊急事態宣言で逆戻り。家賃だけで毎月約600万円もかかる中、もはや再度の休業に踏み切る余裕はなかった。昨年の売り上げはコロナ前に比べ半減したという。

 望月さんは要請に応じない一番の理由を、「キャスト(接客を担う女性)たちを守るため」と語る。コロナ前は130人ほどいたが、現在は約70人に減った。「看護師資格を持つなど他に仕事のあてがある人や、実家を頼れる子は離れていきました。今残っているのは銀座やこの仕事が好きだからという子もいますが、『夜しか選択肢がない』という子も少なくありません」

 開店時間が遅い夜の業界にとって、時短要請は事実上の休業要請にあたる。要請に従うことは、店を閉じるに等しい。望月さんは「従業員やキャストからはこれまで一人も感染者が出ていませんし、今も来店時の検温や定期的な店内消毒、接客時のフェースシールド着用などを欠かさず続けています。悪者扱いされ、『営業やめろ』と言われるのはとてもつらい」と訴える。

一部の店に集中するリスク

 現状、要請に応じていない店はどのくらいあるのか。

 接待を伴う飲食店へのコンサルタントなどを手がける「日本水商売協会」(東京)の甲賀香織代表(40)は…

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