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正直言って失望している。2020年6月に厚生労働省が運用を始めたスマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」についてである。アンドロイド版で、感染者と接触があっても通知されない状態が約4カ月も続いていたことが明らかになった。該当するのは約770万件にものぼる。
私は、20年8月25日のデジタル毎日で、新型コロナウイルスに起因した肺炎で父親を失った知人女性のエピソードを紹介した。入院してから亡くなるまでの3週間、一度も父親に会えなかった。女性は「コロナは命を奪う怖いウイルス。気づかずに周囲にうつしてしまったら取り返しのつかないことになる」とアプリをダウンロードした。この記事は、普及への期待を込めて、「『アプリ』で守れる命はある」というタイトルにした。
このアプリは、スマホの近距離無線通信(ブルートゥース)の機能を使い、利用者同士が1メートル以内に15分以上いた場合、接触履歴を互いのスマホに記録。一方が感染者となった場合、もう一方に通知されるというものだ。人口の40%が利用し、個々の濃厚接触者が外出を60%控えれば、感染者数を6割程度減らせるとのシミュレーションもあり、感染抑制の「切り札」と考えられていた。
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