はねられたシカ狙うオオワシの列車事故急増 JR北海道打つ手なし

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列車にひかれたエゾシカの死骸をついばむオオワシの幼鳥とカラス=根室市郊外のJR花咲線で2015年2月24日午後4時16分、本間浩昭撮影
列車にひかれたエゾシカの死骸をついばむオオワシの幼鳥とカラス=根室市郊外のJR花咲線で2015年2月24日午後4時16分、本間浩昭撮影

 国内では主に北海道で見られるオオワシとオジロワシが列車にはねられる事故が、近年多発している。年間数件だった事故報告が、2015~19年は平均16件以上に急増。関係機関は危機感を強めるが、背景には分布域を拡大するエゾシカの列車事故と、事故処理を速やかにできない鉄道保線体制の弱さという問題がある。

 今月9日に釧路市で開かれた北海道地方環境事務所の「オジロワシ・オオワシ保護増殖検討会」で、臨時座長を務めた元旭山動物園長の小菅正夫・北海道大客員教授は訴えた。「(列車にはねられた)シカ全体を(ビニールシートで)覆ってしまうとか、やれることはやるべきだ」。これに対し環境省の担当者は「働き掛けを強めており、JR側の協力を得られそうな段階」と説明したものの、具体策の言及はなかった。

 環境省によると、00年度以降に列車事故に遭った希少ワシ類は、判明しているだけでオオワシ59羽、オジロワシ62羽の計121羽。かつてはそれぞれ年間0~4羽程度だったが、16年度以降、各5~13羽に急増した。特に釧路と根室を結ぶ道東の花咲線で多い。

シカの列車衝突事故は10倍以上に増加

 増加の要因と考えられるのが、シカの列車衝突事故だ。…

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