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時代超え、よみがえる音色 歴史的ピアノ修復家・山本宣夫さん(72)=堺市 /大阪

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フォルテピアノを修復する山本宣夫さん。豊富な経験と技術が要求される=堺市東区で、北村隆夫撮影
フォルテピアノを修復する山本宣夫さん。豊富な経験と技術が要求される=堺市東区で、北村隆夫撮影

 モーツァルトやベートーベンの時代のピアノを修復し、その音色をよみがえらせる世界でも類いまれな技術を持つ山本宣夫さん(72)の工房が堺市東区の住宅街にある。

 工房にはピアノの原型である「フォルテピアノ」が所狭しと並ぶ。「音量はないが響きはまろやかで、透明感のある鮮やかな音。肉声にも近い」とその魅力を語る。国内外のピアニストが、大作曲家が愛した18世紀初頭~19世紀前半の音色を求めて工房を訪れる。

 調律師の父と同じ道を選んだ山本さんは1983年にオーストリアへ渡り、名門ベーゼンドルファー社で音づくりの技術を習得した。滞在中、同僚とともに訪れた国立ウィーン芸術史博物館で出会ったフォルテピアノに心を奪われた。その後、再び渡欧し、同館の工房に通い詰めた。熱き思いと技術が認められ、89年に日本人初となる同館客員フォルテピアノ修復家となった。

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