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東京五輪を前に次々と明らかになった日本の深刻なジェンダーギャップ。意識のアップデートのために何が必要?

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下重暁子さんが森氏発言に見た深い闇 「多くの男性の本音では」

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下重暁子さん=東京都千代田区の毎日新聞出版で2020年11月24日、中村琢磨撮影
下重暁子さん=東京都千代田区の毎日新聞出版で2020年11月24日、中村琢磨撮影

 辞任したからといって、看過できるものではないだろう。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長職に辞意を示した森喜朗氏(83)による女性蔑視発言のことだ。今もやまない批判には「時代錯誤」といった意見も多いが、作家の下重暁子さん(84)は「世の多くの男性の本音は森さんと同じなのではないか」と問題の根深さを語る。財団法人の会長を務めた自身の経験も踏まえ、「個人の一過性の問題発言でなく、日本はまだまだ男社会だという深い闇を象徴している」と指摘し、社会の価値観から変えていくべきだと訴える。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

時代錯誤だが多くの人の本音? 日本社会の深い闇

 ――森氏の発言をどう受け止めましたか。

 ◆皆さん同じ感想をお持ちだと思いますが、今どきとんでもない話です。その一方で、「女の話は長い」などという差別的な考えの男性は森さんだけではないと思います。男性が多い会議の場で、森さんの発言に笑いが起きたというのが、それを物語っています。

 私は森さんと同世代ですが、NHKに就職した約60年前は、職場でのセクハラなんて当たり前の時代でした。例えば、妊娠中の女性職員が出勤したら、男性が「そんな腹でよく来るな」と平気で言っていました。

 もちろん若い世代の男性は違うと思いますよ。今は時代が変わって、そんなあからさまなセクハラは少ないでしょう。でもいまだに、表向きは口に出さなくても、本音では女性を特別視したり、差別意識を持ったりしている人は多いのではないでしょうか。

 ――経団連の中西宏明会長は2月8日の記者会見で、森氏の発言について「日本社会にはそういう本音があるような気がする」「私自身も(男性と女性を区別する)考えがないかといえばそうじゃない」と述べています。

 ◆それ、まさに本音を言ってるんだと思いますよ。森さん個人の問題じゃなくて、社会の深い深いところに問題がある。一言で言ってしまえば、今もまだまだ日本は「男社会」なんですよ。暗い闇があって、いろんな問題と根っこでつながっている。森さんの発言は一時的にふってわいたものではありません。男女の平等具合を示す「ジェンダーギャップ指数」で、日本の153カ国中121位という低さを象徴するものです。

「突然来た女に何が分かる」の空気 進まない夫婦別姓議論

 ――「根っこでつながっている」とは?

 ◆例えば、選択的夫婦別姓の議論が進まないことです。…

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