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「過去50年の偉大な発見として、インターネット、(質量の起源の)ヒッグス粒子、そして、特に『無意識のバイアス』を挙げたい」。2014年の米ボストン大での卒業式で、米マサチューセッツ工科大(MIT)名誉教授の分子生物学者、ナンシー・ホプキンスさんが、こんなあいさつをした。
無意識のバイアスとは、私たちの脳に知らず知らずのうちに刻み込まれた男女や人種、貧富などに関するバイアス(偏見)のこと(男女共同参画学協会連絡会のパンフレットより)。米国の行動経済学者が1982年に提唱した。
ホプキンスさんたちは、MIT内の無意識のバイアスによる性差別の実態を調査し、99年に報告書をまとめた。その結果、女性科学者が男性科学者との競争で不利益をこうむるのは、無意識のうちに女性が過小評価されてきたため、ということが明らかになった。
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