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一番の見ものは第3部。十七世勘三郎の「三十三回忌追善狂言」が2本。最初が「袖萩祭文(そではぎさいもん)」。袖萩(七之助)は娘お君(長三郎)と勘当を受けた父傔仗(けんじょう)(歌六)の元を訪れる。
七之助が、親不孝を恥じる目が不自由な袖萩の哀れさと娘を気づかう切なさを見せた。長三郎がけなげで愛らしく、せりふも動きもしっかりとした名子役ぶり。勘九郎の貞任は公家から武家への変化が鮮やかで、娘お君への親心も表現した。芝翫の宗任に大きさがあり、端正な梅玉の義家、強さのある歌六、情味のある母浜夕の東蔵と周囲もそろう。
続いて「連獅子」。勘九郎の狂言師右近後に親獅子の精、勘太郎の狂言師左近後に仔獅子の精。振りの意味が明確で一点一画をゆるがせにしない勘九郎と、父に遜色のない動きを示す勘太郎。息が合い、前シテは端正で、後シテには勢いがあった。鶴松と萬太郎の宗論。
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