特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

「一刻も早く」厚労省に促した官邸 ワクチン接種巡る期待と懸念

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
ファイザー製ワクチンの専用容器(バイアル)=ファイザー提供
ファイザー製ワクチンの専用容器(バイアル)=ファイザー提供

 政府は新型コロナウイルスのワクチン接種の開始時期について、前倒しにこだわり続け、17日の開始にこぎ着けた。新型コロナ対応を巡る後手批判が続く中で、難局打開に向けた「切り札」と期待するためだ。だが、急ピッチの作業で、詳細なスケジュールは未確定であり、自治体の態勢整備など課題を残したままのスタートとなる。

政権にとって「もろ刃の剣」

 「ワクチンは感染対策の決め手だ。一日も早く国民に安全で有効なワクチンを届けられるよう、引き続き全力で取り組む」。菅義偉首相は15日の衆院予算委員会集中審議で、ワクチン接種に向けた意気込みを強調した。

 新型コロナの感染拡大と長期化に伴い、政府対応への後手批判が強まる中、首相は周辺に「ワクチン接種が始まれば雰囲気は変わる」と漏らし、接種開始時期の前倒しを急いだ。

 2020年12月25日の記者会見では「(21年)2月末までにはデータがそろう。その後、安全性、有効性を審査した上で接種を始める」としていたが、年末年始の感染拡大に伴い、緊急事態宣言の「検討に入る」と表明した1月4日の会見では、「できる限り2月下旬まで」と前倒しを表明。首相周辺は「官邸から厚生労働省に『一刻も早く』と言っている」と接種開始を急ぐよう指示していることを認めていた。

 さらに、自治体調整を担う総務省や冷凍設備の調達を図る経済産業省など省庁横断の調整が必要となる中、厚労省任せではなかなか進まないことに業を煮やし、1月18日には河野太郎行政改革担当相をワクチン接種担当に指名。河野氏の発信力や突破力に期待をかけた。10都府県での宣言延長を表明した2月2日の会見では「2月中旬にスタートしたい」と更なる前倒しを打ち出した。

 首相官邸主導で前倒しを図った背景には、難局打開への期待感に加え、今年夏の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたスケジュールも念頭にある。

 20年東京五輪の1年延期が決まったのは同年3月24日で、聖火リレーが始まる2日前だった。今年は10都府県で延長した緊急事態宣言の期限となる3月7日から、6日間の日程で国際オリンピック委員会(IOC)の理事会、総会が予定され、同25日には聖火リレーが始まる。官邸幹部は「3…

この記事は有料記事です。

残り2396文字(全文3316文字)

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集